今年は『英国王のスピーチ』が主要部門で圧勝となったアカデミー賞。授賞結果は前評判通り、番狂わせのない順当な結果に落ち着いたが、毎年、賞のゆくえと併せて楽しみなのが、思い思いの装いに身を包んだスターたちが授賞式会場のコダック・シアターへと練り歩くレッドカーペットだ。今年最も印象的だった色はパープルと赤。前哨戦から各映画賞を制覇し、ついにオスカー像も手にした『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンは、劇中のバレエ・シーンに衣裳を提供したロダルテのオフ・ショルダーのパープルのドレス。現在妊娠中のナタリーは日に日にお腹が大きくなり、「ドレスの採寸が大変」と話していたが、エンパイア・スタイルのドレスが美しいラインを作り出している。ドレスと同色のタッセルのついたティファニー製のイアリングも個性的で、主演女優賞と共に今年のベストドレッサーひとりとしても挙げたい。『ブーリン家の姉妹』で共演して以来、ナタリーと仲のいいスカーレット・ヨハンソンのドレスもパープル。レース仕立てで、背中の上部が空いたセクシーなドレスはドルチェ&ガッバーナのデザインだ。『Winter's Bone』(原題)で主演女優賞候補となった20歳のジェニファー・ローレンスは上半身だけ見ると、まるで水着かと思うようなシンプルな赤のタンク・ドレス。ブロンドの髪を自然におろし、アクセサリーはブレスレットひとつのみ。カルバン クラインのドレスだけで勝負できる若さがまぶしい。アトリエ・ヴェルサーチの迫力あるタンジェリン・オレンジのロングドレスを着こなしたのはジェニファー・ハドソン。裾のたっぷり広がったホルターネックのデザインが、減量ですっきりシェイプした彼女によく似合っている。すっきりとシェイプといえば、先月出産したばかりのペネロペ・クルス。ローレン・スコットの体にフィットするスパンコールの飾りがあしらわれたドレスに身を包み、主演男優賞候補だった夫のハビエル・バルデムと一緒に颯爽とレッド・カーペットを歩いていた。主演男優賞のプレゼンターを務めた昨年の主演女優賞受賞者、サンドラ・ブロックはヴェラ・ウォンのマーメイド・スタイルのドレス。直線的な胸元のカットとバックの大きなボウがアクセント。授賞式では5回お色直しをした司会のアン・ハサウェイはレッド・カーペットではお気に入りのブランド、ヴァレンチノのヴィンテージ・コレクションからストラップレスのドレスを着用した。左からアン・ハサウェイ、ナタリー・ポートマン、サンドラ・ブロック、スカーレット・ヨハンソン。特集 2011アカデミー賞http://blog.cinemacafe.net/special/110201/index.htmlphoto:Michael Yada/Ivan Vejar/John Selig/© A.M.P.A.S.