さて、ファニング家には、エルというダコタの妹がいるのは、映画ファンならご存知の通り。『I am Sam アイ・アム・サム』('01)、ダコタが演じたルーシー・ダイヤモンドのさらに幼い頃を、エルが演じていましたが、子役姉妹ならこういう併せ技も可能なのかと、妙に感心したことを覚えています。芸能一家なら、母や父の演じるキャラの若き日を、娘や息子が演じるということもありますから、それと同じですけれどね。でも、私はダコタの演技よりも、エルの演技の方が凄いのではと思っていたりします。ダコタの技は巧みですが、それが見えてしまいがち。でも、『ドア・イン・ザ・フロア』('04)でエルが見せた演技は、『E.T.』でドリュー・バリモアが見せたものに匹敵するのではないかと思ったほど。ですから、個人的には、エルの新作『SOMEWHERE』に一票。しかも、エルのほうが、姉の影に隠れていることがある意味で幸運なのか、外見的にも自然に年相応の成長を遂げているような気が。ソフィア・コッポラ監督、スティーヴン・ドーフ主演という組み合わせも絶妙ですし。いつか、アカデミー賞に姉妹で主演女優賞ノミネートとかになると面白いと思うのだけれど。こんなことを思うなんて、ちょっと意地悪すぎですかね。