2008年にオリンピック開催を控え、活気づく北京。日本企業も続々進出し、アジア全体から注目が集まっているこの街で、11月18日から24日、2006北京・日本映画週間が開催された。日本ではチェン・カイコー、ウォン・カーウァイという巨匠をはじめ、ジャ・ジャンクーなど新鋭監督の作品、さらには昨年公開された高倉健主演、チャン・イーモウ監督の『単騎、千里を走る。』など、海を越えた友情のもとに製作された日中合作も登場するほど、中国映画が定着。そんな中、中国で人気高まっている日本映画を一挙上映し、日中の文化交流を深めるのが、本映画祭の目的だ。
マフィアに潜入した警察の男、警察に潜入したマフィアの男──『ディパーテッド』の原案はあの超ヒット作の香港映画『インファナル・アフェア』シリーズだ。いくつもの伏線が緻密に張り巡らされたストーリー、トニー・レオン&アンディ・ラウ、エディソン・チャン&ショーン・ユーという美しき男たちの哀しき運命を描いた3部作は、公開とともに世界中の熱狂を浴びた。
映画の世界にアカデミー賞があるように、テレビの世界にはエミー賞があります。これはATAS(米国テレビ芸術科学アカデミー)の提唱で1948年に誕生した賞で、その年に顕著な実績を残した番組、俳優、スタッフなどに贈られます。そこで、今回はエミー賞の常連でもある良質なドラマたちを紹介しましょう。
ご存知の通り『犬神家の一族』は30年前に市川崑監督、石坂浩二主演で作られたミステリー超大作だ。過去の作品を現代版で、また日本映画をハリウッド版でリメイクすることは取り立てて騒ぐことではないが、同じ作品を同じ監督、同じ主演でリメイクというのは珍しい。というわけで、1作目を知る人にとっては新キャストで繰り広げられる犬神家の複雑な人間模様が最大のみどころ。そして、松嶋菜々子、富司純子、松坂慶子、萬田久子をはじめ期待を裏切ることのないオールキャストが実現した!
おしゃれに敏感な女性たちに大人気、絶賛公開中の『プラダを着た悪魔』。「ヴォーグ」で働いていた経験を持つローレン・ワイズバーガーが執筆した原作本を、時に楽しく、時に身につまされながら読んだ人も多いのでは。仕事、恋、おしゃれなど、女性はいろいろ忙しい。その中で、自分らしい生き方を探りながら、少しずつ成長していく主人公の姿に共感した人は多かったことでしょう。
動物映画の中で、私がとびきり好きな作品は『ベイブ』。子ブタとアーサー・ホゲットとの種を超えた心の交流には、何度観ても涙が出てしまいます。物語も大好きですが、あのピンク色のベイブの姿と名演にも惚れ惚れ。そしてこの冬、あの『ベイブ』に匹敵する作品に出会いました。
シリーズ21作目にして原点回帰を果たした、世界中で愛されるスパイ.アクション『007』。今回描かれたのは、初めて任務を遂行するジェームズ・ボンド。彼がいかにして完全無欠のヒットマンになっていったかのルーツをたどった快作だけに、『007』シリーズを見たことがないという人にもうってつけの作品になるかもしれない。
これから迎えるパーティシーズンに、欠かせないものといえばシャンパン。ゴールドにきらきらと輝くシャンパンは、世界中で最もロマンティックな飲み物ではないでしょうか。なかもで、モエ・エ・シャンドンは1743年に創立されて以来、世界中で愛されてきたシャンパンのリーディングブランド。ベルサイユ宮殿では、ポンパドール公爵夫人をはじめとする社交界の人々を虜に。英国ではヴィクトリア女王が王室御用達に指定。ロイヤルファミリーのウエディングでも、モエ・エ・シャンドンのシャンパンが振舞われているといいます。
生まれながらにして天才的な嗅覚を持つ主人公グルヌイユは、ある日、運命の香りと出会う。全ての香りを形にしたいと願い、パリ随一の香水調合師のもとにも弟子入りするグルヌイユ。そして、“あの香り”を香水にするために恐ろしい事件を巻き起こしてしまうのだった。愛を知らずに生まれ、香りに取り憑かれ、少女たちの命を摘み取る男──しかし、純粋な動機であるがゆえに憎めない、究極を求める情熱がゆえに憎めない…この『パフューム ある人殺しの物語』はそんな不思議な感情をもたらす映画である。
動物が登場するアニメ映画といえば、誰もが楽しめる娯楽の定番。『ファインディング・ニモ』『アイス・エイジ』などに代表されているように、可愛いらしいキャラクターと心温まるストーリーが魅力です。このジャンルを得意とし、これまでに成功を収めているのが、ディズニー(&ピクサー)や20世紀フォックスやドリームワークス。
現在、アメリカで高視聴率を獲得しているドラマと言えば、トップから順に「グレイズ・アナトミー」「CSI:科学捜査班」「デスパレートな妻たち」。これらはすべて日本でも見られるものばかりですので、内容を簡単に紹介しましょう。まず、「グレイズ・アナトミー」は大病院のインターン(医師見習い)を主人公にした医療ドラマ。日本では“恋の解剖学”という副題がついていることからもわかるように、ラブストーリーまっしぐらの物語となっています。何せ、主人公のインターン5人中2人(女)が、上司にあたるドクター(男)とオフィスラヴ中というお盛ん(死語?)さ! 残りの3人も仲間や同僚を相手に恋心を炸裂させます。こう書くと、「その病院、大丈夫?」と思われるでしょうが、たぶん大丈夫…もとい、もちろん大丈夫。恋愛の悲喜こもごもが展開する一方、インターンの過酷な研修から医師同士の勢力争い、訪れる患者たちのドラマまで、リアルな院内事情もきちんと描かれいて、うっかり涙を誘われることもしばしばなのですから。
一言でこの映画を表現するならば“大人のためのフランス映画”だろうか。決して若い人向けではないと言っているのではなく、歳を重ねたからこそ薫る渋さが漂っているという意味で“大人な”映画だなと。
先日、コラムでも紹介した『愛されるために、ここにいる』に続いて、良質なフランス映画に出会いました。『あるいは裏切りという名の犬』。名前からしてただモノではない感じでしょう? こちらは、クライムサスペンス。リュック・ベッソンが失速した後、フランスではこのジャンルにいまひとつ勢いがなく、ハリウッド映画のまがいもののような感じの作品ばかりが目立ったけれど、これはいい! 凄くかっこいい! パリ市警を舞台に、善悪の境界線上で生きる2人の男を中心とした愛と裏切りのドラマを、フランスらしい抑えたリズムで追っていくのです。