天真爛漫な少女ハイジ、透けるような青空にそびえ立つアルプスの山々、おいしそうな手作りチーズ……とにかく心洗われる要素がぎっしりと詰まった癒し系。原作があまりにも有名だと「原作は超えない……」と、期待薄になってしまいがちだがこの「ハイジ」は違う! ヨハンナ・シュピリの小説を読んだことのある人も、アニメーションの「アルプスの少女ハイジ」を見たことのある人も、大切にしまってある記憶を壊すことなく新たなハイジに出会えるのだ。その理由のひとつは何と言ってもハイジ役のエマ・ボルジャーの魅力。「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」でも愛らしさを放っていたが、今回はそこにたくましさがプラス。ハイジはどんな境遇に陥ってもすべてを"楽しみ"に変えてしまう力、さらに出会った人を"幸せ"にしてしまう力を持った少女なのである。もちろん、観客にもその幸せが贈られる。自分にとって「大切な人は誰なのか」「幸せとは何なのか」──映画を観終わるときっと大好きな人に会いたくなる、安らぐ場所に行きたくなるはず。あと、観る前にチーズ屋さんもチェック! アルムおじいさんの作るやぎのチーズを見たら絶対食べたくなるので(笑)。
夫婦っていいな、と結婚していない私はよく思う。大学2年の時に観た『アベックモンマリ』でも描かれていたけれど、言葉が無くてもお互いに理解しあっている関係というか。それは映画の中だけで描かれる理想像かもしれないけれど、交わされる言葉は少なくてもつながっていられる関係=夫婦、であってほしいなと思ったりする。
ヅラ刑事、ヅラを投げ飛ばす特殊な必殺技を持つ敏腕刑事。この役を演じるのは“ヅラ”をしない男「モト冬樹」氏。日本人の半数以上は容易に顔を思い浮かべる事ができる愛すべき日本のモノマネエンターテイナー。そんな彼がついにヅラをかぶりテロ集団と闘う傑作刑事ムービー。まさに彼にピッタリ!?な役どころです。
歴史に名を残す楊貴妃。彼女は、きっとこんな風に美しかったんじゃないか。コン・リーを目の前にすると、そんな風に思えてくる。
「今日は忙しいから、また今度で」。忙しい社会人であれば、一度は使っているこの言葉。明日も明後日も、来週でも来月でも「会える」と思い込んでいるからこそ「また今度」と言えるのだけど、実際のところ、明日会うことができる、なんて保障は無い。いずれ人は死ぬ、なんてことは小学生の頃からわかっているはずなのに、生きていることの重要さを、ついつい忘れてしまう。もし明日、大好きな人に会えなくなったらどうしよう?
うだるような暑さの日本の7月。この夏、映画界では、暑さを倍増してくれそうなホットで美しい男たちが、スクリーン狭しと大活躍しています。そこで、今月のテーマは「注目の美しい男たち」。初回は、ジョナサン・リース・メイヤーズにスポットを当ててみました。
「恋愛と結婚は別モノ」──女同士の会話で時々登場するこの台詞。若い頃は全然理解できなかったけれど、適齢期と言われる年齢に近づくほど女性は「恋愛」と「結婚」の定義に翻弄されてしまうものだ。サラ・ジェシカ・パーカー演じるメレディスは仕事ができて何もかも完璧にこなしてしまう女性。もちろん、恋愛にも完璧を求めている。なのに、理想の結婚が手に入る直前に「ん? 何か違う…」と感じてしまう。それが意味するのは、ドレスや靴のように自分という人形に恋人をあてがっているうちは本当の幸せはつかめない……ということなのか? そして、意外にもメレディスタイプの女性はけっこう多い(笑)。自分の恋愛に「?」がある人、何故かいつも恋が上手くいかない人、結婚という二文字に縛られている人、そんな人にとって『幸せのポートレート』は最高の処方箋になるはず。
始めに“サムサッカー”と聞いて、何のサッカー映画だろう?と正直思った(ワールドカップ時期だしね)。監督は知る人ぞ知る、フィルムメーカーおよびグラフィック・アーティストとして活躍しているマイク・ミルズ。ミュージッククリップなど撮っているので、オシャレでキレイな映像を見せられるだけかな、と思っていたら大間違いだった。
先ず若きレーサー、主人公のライトニング・マックイーンの登場するシーンから度肝を抜かれました。真っ赤なボディに反射する光沢、レーシングカーならではのエンジンの轟音。一瞬実写かと勘違いしたほど見事です。今回ピクサーのスタッフは、光やまわりの景色を正確に反射させるために「光線透写」という最先端の技術を使ったそうですが、またピクサーのアニメが進化した、と感じました。更に、実写ではかなり難しいであろうレース中のカメラワークも必見。轟音と共に、他の車をすばらしいテクニックで抜き去っていくマックイーンを見るのは爽快です! 本当に車が好きな人が作った映画だと分かります。
『ディープ・ブルー』『WATARIDORI』『皇帝ペンギン』など、アニマル・ドキュメンタリーが、確固とした地位を確立したことで、次はどんな作品が登場するのだろうと楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。そんな中、今年の夏に登場するのは、地球にあるのに、“氷の惑星”と呼びたくなるような別世界、北極を捉えた『ホワイト・プラネット』。ホッキョクグマ、ジョコウウシ、カリブー、セイウチ、イッカク、シロイルカに、ザトウクジラなど、北極に生きる美しき動物たちの姿を捉えた作品です。
新生活がスタートすると、なんとなく環境に馴染めなかったり、周囲に上手く溶け込めなかったりと気苦労も多いもの。バックグラウンドの違う人たちと、長時間を共にしなくてはいけないとなると、学生生活、社会人生活にトラブルが多いのも当然。かといって、そこから逃げ出すわけにもいかない…。そんな葛藤がうずまいて、ちょっとばかりブルーになっている人に、ぜひ見てもらいたい映画が『戦場のアリア』なのです。
“梅雨のジメジメを忘れる映画”として忘れてはならないのが、気分を爽快にさせてくれる、痛快娯楽作。ド派手なアクションたっぷりの超大作よりも、小粋で洒落が効いているのが、完全犯罪を題材にした大人のサスペンス映画『インサイド・マン』。一級の会話劇がじっくり楽しめるところが魅力です。それもそのはず、主演はデンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、そしてジョディ・フォスター。この芸達者3人を率いるのは、この分野を始めて手がけるスパイク・リー監督です。
ああ、ついにやってきてしまったジメジメの時期。そして、ついに公開となってしまった新世紀『オーメン』。しかも、2006年6月6日などという、10年に一度やってくる悪魔を最も感じさせる日に…。