先日、本年度アカデミー賞6部門にノミネートされたことが発表されたばかりのこの冬の注目作『ドリームガールズ』は、4年間に1,522回の公演を記録した同名ミュージカルの映画化。仲良し3人組で結成した女性ボーカル・グループが栄光をつかみ取っていく輝きを描いた、ブロードウェイ・ミュージカル史上燦然と輝く作品がスクリーンに登場するのです。
自分が年をとったなと思う瞬間。それは、こんな仕事をしていながらも、若手の役者さんを“まったく追えてない”と実感したとき。しかも、「10代の少女から圧倒的な支持を得ている〜」などという評判であれば、なおさらです。もう10代の、いえ、20代の皆さんとは、別世界に住んでいるんだなと感じる瞬間です。
マリー・アントワネット。フランス国王ルイ16世の王妃。フランス革命の混乱の中ギロチンで斬首刑にされた女性──教科書で学ぶマリー・アントワネットは何故か“悪い”王妃という印象が強い気がする。ところが、ソフィア・コッポラの手にかかるとあら不思議。オーストリアとフランスの政略結婚の犠牲となった悲劇の女性というだけではない、王妃として、妻として、母として、ひとりの女性としてのマリーが何とも魅力的に映し出されているのだ。
ニルヴァーナ。衝撃的なサウンドと強烈なメッセージで時代の寵児となった、言わずと知れた伝説のロックバンドだが、1994年4月5日にカート・コバーン(ヴォーカル)が自ら命を絶ったことで幕を閉じた…。コバーンの死、そしてその少し前に親友であるリヴァー・フェニックスの死を経験していた監督ガス・ヴァン・サントは、彼らの死に大きな影響を受け、カート・コバーンへの追悼作品として『ラストデイズ』を製作した。『GERRY ジェリー』、『エレファント』に続く、ガス・ヴァン・サントの「人生の“最期”に対峙した3部作」の3作目となる本作には、時代の頂点を極めたロックアーティストが自ら命を絶つまでの最期の2日間──華やかな世界からは想像し難い孤独、絶望、不安、痛みが淡々と綴られている。
映画に負けじと高いクオリティの作品を生み出している昨今の海外ドラマ界ですが、もうひとつ映画界に負けないものと言えば、男前スターの数! 先月の「プリズン・ブレイク」特集で大フィーチャーしたウェントワース・ミラー以外にも男前はゴロゴロいるぞ! ということで、今月は独断と偏見で選んだ男前たちを紹介していきます。
年が明けると、早くも映画界を賑わし始めるアカデミー賞の話題。すでに、前哨戦が始まっています。ナショナル・ボード・オブ・レビューや全米各地の批評家賞が発表されたのに続き、すでにゴールデン・グローブ賞(以下、GG)もノミネート発表が済んでいます。その“顔ぶれ”を見ていると、浮かび上がってくるのが、アカデミー賞ノミネートに絡んできそうな作品たち。今のところ、『幸せのちから』、『ボビー』、『ディパーテッド』、『バベル』、『プラダを着た悪魔』、『ドリームガールズ』、『クィーン』、『リトル・チルドレン』が有力。このあたりは、総合的な評価が高く、複数の部門での絡みが予想されているというわけです。
昨年11月に、ツバル(地球温暖化の影響で最初に沈む国とされている)に行って以来、これまで以上に環境問題に関心を持ち始めた私。地球温暖化→海面上昇がすすみ、ライフスタイルの変化を余儀なくされている人々は、これまでの自給自足の生活から、私たちの今のような“使い捨て”生活へと近づき始めています。しかも、彼らは、深刻になりはじめたゴミ問題に考えが及ぶほど経済的にも心理的にも余裕はありません。その結果、美しい島の端にできてしまったゴミの山…。間近で見たその光景は、明らかにツバルの人々だけの問題とは思えず、自分の今を見直すように訴えかけてくるようでした。
地球征服を企むエイリアン相手に戦いを挑む血気盛んな軍人を演じた『インデペンデンス・デイ』から10年。ウィル・スミスの主演最新作は、実の息子と初共演を果たしたことでも話題になったハートフルな人間ドラマだ。なかなか売れない新型医療機器のセールスマン、クリス・ガードナー。やがて職を失い、妻にも逃げられ、ホームレスになってしまった彼には、最愛のひとり息子、クリストファーがいた。自分たちの窮地を知ってか知らずか、悪戦苦闘するクリスの横で、無邪気にあどけない表情を浮かべるクリストファー。全財産たった21ドルから再スタートを切った親子がどんなサクセスストーリーを歩んでいったのか、それだけでも興味を引く。
海外ドラマの世界には、クリエイターと呼ばれる人々がいます。クリエイターとは映画における監督のような存在で、いわば企画責任者のようなもの。各ドラマによってクリエイターの役割は若干異なりますが、クリエイティヴ面における最重要スタッフと考えて差し支えないでしょう。最近のドラマ界で最も有名なクリエイターと言えば、映画『M:i:III』の監督でもあるJ.J.エイブラムス(TVドラマ「LOST」)が挙げられます。
景気回復に向かっているとはいえ、なかなか不況の二文字から脱出できない現代に明るい兆しを運んでくれる(!?)映画が『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』。多額の借金を抱えた日本を救うために財務省が企てた極秘計画。それは1990年にタイムスリップしバブル崩壊を止めることだった! しかもタイムマシンは洗濯機!というなんともユニークなコメディ。
「あの人は今」じゃないけれど、しばらくメディアに登場しないだけで、「そういえば、あの人どうしてるの?」という感じになります。「どうしているの?」と思ってもらえれば御の字、という人もいるかもしれませんが…。
先日、井上陽水のライヴに行ってきました。これまで、CDで良く聴いてはいたのですが、生で堪能するのは初めて。2006年のツアーを締めくくる日とあって、NHKホールは往年のファンで熱気むんむん。50〜60代のおじさま、おばさまに囲まれて楽しい時間を過してきました。圧倒的な歌唱力と名曲の数々に酔いしれながらふと思ったのは、「彼の魅力って“意外性”にあるんだよな」ということ。歌詞はもちろん、不思議な歌詞とロマンティックな音楽のミスマッチ、そしてどう展開するか予測もできないオモシロトーク…。漫談かと思うようなユニークで味のある話術も、とても魅力的でした。
「プリズン・ブレイク」(以下「PB」)の製作総指揮がブレット・ラトナーで、彼が無名だったウェントワース・ミラーを主役に抜擢したことは前回お話しましたが、今回は「PB」におけるラトナーの役割について、もう少し説明しましょう。『X-MEN :ファイナルディシジョン』や『レッド・ドラゴン』といったヒット作を放ち、映画界で大活躍する彼は、「PB」の製作総指揮であるのと同時に、パイロット版の監督としても有名。