世界初の長編アニメーション映画として1937年に生まれ、世代を超えて愛され続けてきた「白雪姫」。普及の名作を90年近くを経てミュージカル版として実写映画化した『白雪姫』がついに公開。
レイチェル・ゼグラーが演じている白雪姫のプレミアム吹替版声優を務めるのは、二十歳の注目俳優・吉柳咲良(きりゅうさくら)。ホリプロタレントスカウトキャラバンPURE GIRL 2016でグランプリを獲得し、2017年にはミュージカル「ピーター・パン」の10代目ピーター・パン役でデビュー。
その後もアニメ映画『天気の子』の声優(ヒロイン・天野陽菜の弟・凪役)、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」、NHK大河ドラマ「光る君へ」(最終回に登場し、のちに「更級日記」を記すちぐさを演じた)など話題作に出演し、1月より放送のTBS系ドラマ「御上先生」にも生徒役のひとりで出演し、存在感を放っている。
すでに劇中歌「夢に見る ~Waiting On A Wish~」のトレーラーも公開され、その力強く透明感のある歌声に称賛の声が集まっているが、そんな彼女にディズニープリンセスの“原点”とも言える『白雪姫』の魅力について語ってもらった。

「プリンセスへの憧れをどこかで否定し続けた自分」
――オーディションを経て、プレミアム吹替版で白雪姫の声を演じることが決まった時の心境をお聞かせください。
ずっとプリンセスというものに対して憧れていて、いつかディズニーの作品に携わりたいという気持ちはあったので、本当に嬉しかったです。自分自身がどこかで遠い存在だと思っていたディズニープリンセス――“プリンセス”というものに対しての憧れをどこかで否定し続けてきた自分をやっと肯定できたようなところがあり、どこか救われたような気持ちになりました。
でもオーディション中も本当に気が気じゃなくて、受けてから結果が来るまでずっとドキドキだったので、ちょっとひと安心という感じでした。
――発表されてからの周りの反響は?
いままでで一番反響が大きかったですね。母は普段、あまり映画館に行かないのですが、「絶対観に行くよ!」と言ってくれました。それと、うちの父の誕生日がこの映画の公開日の3月20日なんですよ。最高の誕生日プレゼントだなって思っています(笑)。
本当にたくさんの方々、特にミュージカルをきっかけに私を知ってくださった人たちが「おめでとう!」と言ってくださいました。ちょうどドラマの撮影期間中だったのですが、ドラマの関係者の人たちもすごく喜んでくれて、本当にいっぱい「おめでとう」とか「夢が叶ったね」というメッセージをいただけて、とても嬉しかったです。

――ご自身では「プリンセスへの憧れをどこかで否定し続けてきた」ともおっしゃっていましたが、憧れつつもあきらめの気持ちを抱いていたのはなぜなんでしょうか?
この仕事をやっていると、いろんな意見をいただくことがあって、もちろん否定的な声をいただくこともあります。それを自分では「気にしない」と言い聞かせつつも、どこかでそういう声が自分の中に蓄積されていたっていうのも少しあったと思います。
あとは、この仕事をしていて、本当にすごい人たちをたくさん目の当たりにして、どうしても自信が削られていくこともありました。私にはないものを持っている人たちがたくさんいて「勝てない」、「まだまだ実力が足りてない」という気持ちに何度もなりますし、どれだけ頑張っても、まだ壁があって、まだ壁があって…という繰り返しで、やればやるほど自信がなくなっていく感覚があったと思います。