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【インタビュー】『白雪姫』吉柳咲良、いくつもの楽曲を通して感じたプリンセスの成長

世界初の長編アニメーション映画として1937年に生まれ、世代を超えて愛され続けてきた『白雪姫』。普及の名作を90年近くを経てミュージカル版として実写映画化した『白雪姫』がついに公開。

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吉柳咲良/photo:You Ishii
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現代に描かれる“白雪姫”や“プリンセス”とは


――実写版ならではの魅力を感じたシーン、これから見る人たちに「ここを楽しみにしてほしい」というおすすめのポイントを教えてください。

例えば「ハイ・ホー」もそうですけど、アニメーション版で見たことのあるシーンがそのまま出てくるんですけど「こんなふうになってるのか!」と。(アニメーション版と重なる描写を)探すのもすごく楽しかったです。

立体的になっていて、アニメーションでは見えなかった部分を感じられると思います。(毒リンゴなど)球体の表面だけじゃなくて、ちゃんとその裏側まで見られるような感じがあったし、生身の人間が演じることによって生まれる温度感みたいなものをすごく感じることができて、動物たちも本当にかわいいし、あの時、アニメーションで見ていた世界がこんなふうに目の前に広がるのか! という感覚があって、ゾクゾクしました。

これは観ていただければわかるんですけど、この映画は“絵本”として始まり、終わる、つまり物語をちゃんと閉じることができるんです。すごく考え抜かれて、ちゃんとそれに意味があってこうなっていて、生身の人間が演じる生々しさとファンタジーを感じさせる美しさのどちらもあり、夢を見させてくれる作品だなと思います。

――これまでもディズニー・アニメーションの実写版がいくつも製作されていますが、価値観が現代にアップデートされた描写であったり、メッセージ性を強く打ち出した新たな楽曲が加えられたりするということがありましたが、その意味で、いまの時代に実写版『白雪姫』が公開される意義を感じるようなシーンや描写はありましたか?

ディズニーのプリンセスの物語を観ていると、実写に限らず常にその時の時代背景というものが反映されたプリンセス像が描かれているなと感じられて、年代が変わる中でちょっとずつ女性像も変わっていきますよね。

それこそ、作品ごとにしゃべり方や佇まい、ドレスの雰囲気も年代によって違うし、ディズニーはすごく細かい部分を大切にしているんだなと思うし、例えば『ラプンツェル』ではしゃべり方もそうだし、着ているドレスも母親が着ているのと全然違ったりするんですよね。今回の『白雪姫』で言うと、良い意味でその中間をしっかりと描いているんじゃないかなと思っています。

先ほども言いましたが、白雪姫が生来持っている優しさや思慮深さ、誰に対しても愛をもって接する純粋な心を描きつつ、現代だからこそ描くことができる凛々しさであったり、アニメーションでは内面には持っていたけど、見えなかったかもしれない女性の強さ――いや「強い」という言い方は、もしかしたら違うのかもしれなくて、自分を律する凛とした女性の姿ですよね。それも彼女が映画の中でストーリーを通して成長していくからこそ見えてくるように描かれているなと思いました。(アニメーション公開当時の女性像と現代の女性像の)どちらもきちんと描かれていて、「なるほど」と思いました。

――最後に吉柳さんにとって“プリンセス”とはどんな存在なのかを教えてください。

やっぱり憧れであり、理想であり、目指したい先にある女性像ですよね。他者に対しての優しさ、思いやりといったものがないプリンセスを見たことがないですし、誰かを想う気持ちであふれていて、常に優しく視野を広く持てる人だなと思います。と同時に自分をきちんと律していますよね。

誰にでも優しくできるからこそ、くじけたとしても、周りの誰かが助けてくれて、それはプリンセス自身が培ってきた誰かに対しての優しさというものが、連鎖しているのだなと思います。

その中で自分というものをしっかり持っていて、女性というか人としての理想像、私が目指したい先に常にいてくれるお手本のような人物がプリンセスだと思います。


《text:黒豆直樹/photo:You Ishii》

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