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主人公は、3年の刑期を終えて出所したジュンソク(イ・ジェフン)。幼なじみのギフン(チェ・ウシク)とチャンホ(アン・ジェホン)が彼を出迎えるが、かつて自ら犠牲となって盗んだ大金(ウォン)が紙クズ同然となったと聞かされ、愕然とする。1997年の通貨危機を描いた『国家が破産する日』では、IMF(国際通貨基金)からの融資額は当時200億ドルだったが、“この世界”では1,150億ドルにまで膨れ上がっていた。
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ジュンソクはそんな「地獄から抜け出すために」、最後に“でっかいこと”をやって人生をやり直そうと2人に提案、賭博場で働くサンスを仲間に引き入れ、ある強奪計画を立てる。
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だが、新しい人生をつかみ取るために危険な作戦を決行した4人の若者を、正体不明の追撃者ハンが追う。ハンはターミネーターのごとく冷酷無慈悲、時には狩りを楽しむかのような狂気と狡猾さで彼らを追い詰める。この息詰まる“狩りの時間”と、極限の中で立ち向かっていく若者たちの姿からはひと時も目を離すことができない。
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リーダー格のジュンソクを演じたのは、「シグナル」や『建築学概論』などで知られるイ・ジェフン。本作の監督ユン・サンヒョンのデビュー作『Bleak Night』(2011)で青龍映画賞や大鐘賞の新人俳優賞を受賞しており、本作でも感傷から激情まで自在に表出させる。『パラサイト 半地下の家族』の実力派チェ・ウシク、場を和ませる親友ポジを演じさせたら右に出る者はいないアン・ジェホン、そして『Bleak Night』にも出演していたパク・ジョンミンとのケミストリーは、希望なき世界での友情の温かさと儚さをいっそう際立たせる。
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何より、追撃者ハンを演じたパク・ヘス(「刑務所のルールブック」)のミステリアスな存在感には震えっぱなし。さらに驚くべきは、ユン・サンヒョン監督により徹底されたプロダクションデザインやCG、色彩設計による世界観だ。多くが語られずとも背景が伝わってくる、その手腕にも唸る。
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「第70回ベルリン国際映画祭」ベルリナーレ・スペシャル部門に招待され、好評を得ていた本作。新型コロナウイルスの影響で劇場公開が延期となり、Netflixでの世界配信が決定。海外セールスがらみでもひと悶着あった中、満を持して4月23日より配信されたが、本作もまた韓国映画の底力を感じさせる、広く観られてほしい1本だ。
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