現在公開中の『ウォルト・ディズニーの約束』で、トム・ハンクス演じる“ウォルト・ディズニー”が映画化を熱望する「メリー・ポピンズ」の原作者P.L.トラヴァースを演じたオスカー女優、エマ・トンプソンのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。ブロンドの髪を染め、細かなパーマをあて、見た目もすっかり別人のように変身して、つむじ曲がりの作家を熱演し、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門「主演女優賞」にノミネートされたエマ。共演のトム・ハンクスを絶賛しながら、気難しくもトラウマを抱えた本作のヒロインについて語ってくれた。20年来、「メリー・ポピンズ」映画化を目指しているウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)に会うため、ロンドンから渋々ハリウッドにやってきた原作者のP.L.トラヴァース(エマ・トンプソン)。彼女は、ウォルトたち映画製作者が提案する脚本アイデアや音楽、衣装にいたるまでことごとく否定する。なぜ彼女は頑なに「メリー・ポピンズ」を守ろうとするのか? その答えが、幼い頃の彼女と父親トラヴァース・ゴフ(コリン・ファレル)との関係にあると知ったウォルトは、映画化実現への最後のチャンスをかけてトラヴァースにある“約束”をするのだが――。常に眉間にしわを寄せ、気難しげで、「ウォルトと呼んでくれ」と歓迎するトム演じるディズニー氏を一気に意気消沈させる、エマ演じるトラヴァース。「ありえないほど頑固なトラヴァースは、本当に可笑しいと思うわ。中年のオバさんが一人ふらっとやって来て、ディズニーという巨大企業を一瞬でシャットダウンしてしまうんですもの(笑)」と楽しそうに語る。そして、「彼らがものすごいテンションで『なんてエキサイティングなんだ! 映画史に残る珠玉の名作にしてやるぞ!』なんてはしゃいでいるところに、『悪いけど、全部やり直してちょうだい』って一言で、頭から冷水を浴びせかける彼女には、思わず笑ってしまわずにはいられないはずよ」と続ける。共演したトム・ハンクスについては、「彼とは共通の友人がたくさんいることもあって、以前から親しくしていたし、長年共演のチャンスをうかがっていたの」と語る。とはいえ、「恋愛もので恋人役を演じるなんていうのはどうもしっくりこないし、可能性があるとしたらどんな映画かしら…? なんて、いつも2人で話していたんだけれど、この映画のキャストが決まったとき、嬉しくてすぐ彼に電話したわ。『これこそまさにピッタリの映画じゃない!』ってね」と、オスカー俳優同士の“約束”をふり返る。頑固で偏屈で、言い知れぬ“秘密”を抱えたまま大人になったキャラクターに、エマを起用した理由について、ジョン・リー・ハンコック監督は「P.L.トラヴァースのような複雑なキャラクターを演じるには、綱渡りのような演技が求められ、それをきちんとこなせるだけの技術を持った人材が必要だったんだ」と言う。さらに、「最初にエマと話し合ったときから、彼女ならトラヴァースを本物の人間として演じられるだけの技術があると分かったよ。エマには素晴らしい笑いの才能があり、その笑いはキャラクターの内側から出てくるものであり、また、そのドラマチックな佇まいなどからくる彼女自身の身体的な能力からきている。エマ・トンプソンを得たことで、P.L.トラヴァースを描くことに関しては安泰だったよ」と自信をのぞかせる。不朽の名作『メリーポピンズ』製作の裏で描かれる人間ドラマで、複雑なキャラクターに迫真性を持たせた演技派女優のチャレンジに注目だ。『ウォルト・ディズニーの約束』は全国にて公開中。
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