中学2年の夏休み、家を差し押さえられ、家族と離れ離れになった田村少年は、近所の公園に住みつく。知恵と工夫を凝らして極貧の“ホームレス”生活を続けるうちに、彼の目にはこれまで見えていなかったものが映り始め…。麒麟の田村裕による大ベストセラー自伝小説を映画化した『ホームレス中学生』が、特別招待作品として10月22日(水)に公式上映された。上映前の舞台挨拶には主演の小池徹平に池脇千鶴、古厩智之監督が登壇し、会場は大きな盛り上がりを見せた。チケットが即売り切れとなった人気作品とあって会場は超満員。舞台挨拶開始前から異様な熱気に包まれており、小池さんらが登場すると会場のあちこちから「徹平ちゃん!」という声援が上がった。田村少年を演じた小池さんは「大ベストセラーの映画化に関わることが出来て光栄です。原作にあるホームレス生活の部分が有名ですが、その先にあるのは人は互いに支え合い、つながって生きているという普遍的なテーマです」と笑顔で語った。姉の幸子を演じた池脇さんも「徹平ちゃんの言う通り、つながりを再確認できる優しい映画に仕上がっています。個人的には、ちょうど幸子と同じくらいの年齢のときに東京国際映画祭で舞台挨拶をしたことがあって、少し懐かしい気持ちでこの場にいます。みなさんもこの映画を観て、懐かしい気持ちを家に持って帰ってもらえると嬉しいです」と語りかけた。古厩監督は「映画祭っていいですね。お祭っぽい感じと“金払って観に来てるんだからな!”という前のめりな感じがあって(笑)。確かに麒麟の田村裕と徹平くんは全く違います! でも、全く違っていても誇りに思える作品を素直に作りました」と自信をのぞかせた。この映画に参加して、家族や友人の存在について考えさせられたのでは? という質問に池脇さんは「“ありがとう”そして“ごめんね”が詰まったこの映画は、私自身の中にあった家族への愛情や感謝の気持ちを代弁してくれています。父や母に胸を張って渡したいと思える作品です」と心情を明かした。小池さんも「家族や周りの友人たちは当たり前のようにそばにいてくれるけど、それが本当にありがたいことなんだと改めて実感しました」としみじみと語った。監督は脚本も担当したが「原作を読んで、何でこんなに売れているのか? と考えたときに、きっとみんなが欲しいものがここにあるからだ、という答えにぶつかりました。それが何なのかという部分に全精力を込めて脚本を作りました」とその過程を明かしてくれた。「泣けて、そして温かい気持ちになれる作品です」と小池さんが自信を持って薦める『ホームレス中学生』は10月25日(土)より全国東宝系にて公開。第21回東京国際映画祭特集http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/