ホアキン・フェニックスが再びジョーカーを演じる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が、第81回ヴェネチア国際映画祭にて世界初披露。上映後は12分間のスタンディングオベーションと称賛の声が飛び交った。
孤独だが心優しい男が、歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”へと変貌を遂げていくドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描いた傑作サスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』(2019)。
その続編にして、完結編となる通称『ジョーカー2』が、続編作品として史上初の“金獅子賞”連続受賞を狙うヴェネチアにてワールドプレミア上映された。
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上映に伴い実施されたレッドカーペットセレモニーには、主演のホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、トッド・フィリップス監督らが登場し、同日開催となった記者会見にも登壇。全世界が待望する『ジョーカー2』の初お披露目ということで、大勢のマスコミとファンたちが溢れかえり、会場は熱狂に包まれた。
主演のホアキン・フェニックスが登場すると会場に集まったファンやマスコミからは大きな歓声が起こり、カメラのフラッシュが一斉にたかれ、盛り上がりは最高潮に。
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ホアキン・フェニックスは、世界中が公開を待ち望む本作について「なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつもみなさんが語る内容に驚かされます。今回の作品は≪安心を感じる愛への追求と切望≫だと思います」と、自身の思いを語った。
さらに本作の重要な要素の1つとなる“音楽”について、「物語に合わせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することが鍵でした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした」と撮影の裏側を告白した。
そして本作で物語のカギを握る謎の女性リーを演じるレディー・ガガは、「ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでのわたしの映画経験とは全く異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました」と撮影当時をふり返る。
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「トッド監督が伝えるストーリーはとても興味深いもので、“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています。みなさんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマを見つけ出してほしいです」と語った。
そして続編作品として史上初となる、最高賞(金獅子賞)の連続受賞が期待されるトッド・フィリップス監督は、本作について「私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。実際に続編を作ることになったとき、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました」と打ち明ける。
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「前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心の中には音楽と愛が溢れていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います。そして…この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます」と気になるコメント。
公式上映後にはかつてない衝撃を目撃した観客からキャスト・監督に向けて12分間に渡るスタンディングオベーションと称賛の歓声が贈られた。
さらに今回、新たな映像も解禁。ヴェネチアを席巻したジョーカーの笑い。全世界に解き放たれた、その笑いはもう、誰にも止められない…。
日本時間9月8日(日)には本映画祭の授賞式が行われる。
キャストコメント全文
◆ホアキン・フェニックス(ジョーカー役)
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なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつもみなさんが語る内容に驚かされます。今回の作品は≪安心を感じる愛への追求と切望≫だと思います。この作品で象徴的な音楽は、物語に合わせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することが鍵でした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした。減量については、詳しく語るつもりはないよ。退屈だと思うから(笑)でも前よりも難しかった。というのも、今回はダンスシーンが多く、ダンスのリハーサルもたくさんやる必要があったから。いま49歳ですが、もうこのような事はしない方が良いでしょうね(笑)
◆レディー・ガガ(リー役)
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前作にとても心を揺さぶられました。トッドはとても美しく素晴らしい作品を作り、そしてホアキンの演技も素晴らしかった。いままでに観たことがない作品だったと感じたことが、今作で私が参加した理由です。わたしたちのアプローチは特別で、とてもニュアンスに富んだものでした。通常の映画で描かれるような歌唱シーンとはとても異なるもの。この映画での音楽の使い方は、キャラクターの感情を表現すること。セリフだけでは十分ではなく、キャラクターたちが言いたいことを音楽で表現しています。ジョーカーの中には常に音楽が流れていて、私はただ、トッド監督のビジョンを音楽とともにやり遂げただけです。ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでのわたしの映画経験とは全く異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました。トッド監督が伝えるストーリーはとても興味深いもので、“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています。みなさんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマを見つけ出してほしいです。
◆トッド・フィリップス(監督)
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この映画と共にヴェネチアに戻ってくる事に対して強い思いがありました。しかし期待値も上がっているのも感じているため、本作に関してはとても緊張しています。前作に関しては、僕たちが何をしているのかは誰にも知られていなかった。本作では一転、常に注目され続けていた。撮影中から様々な憶測や考察がネット上にあがっていたので、私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。ホアキンはもともと“続編”をやる必要はないと考えていました。前作の時に「次もやろうか」なんて冗談で話してはいましたが、実際にやるとなったらそれはホアキンにとってもある意味恐怖でもあると思います。実際に続編を作ることになったとき、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました。前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心の中には音楽と愛が溢れていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います。そして…この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は10月11日(金)より全国にて公開。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(c) & TM DC (c) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories
¥6,618
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