アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワースらの共演で描くサーガ最新作『マッドマックス:フュリオサ』。その驚愕のラストで初めて『怒りのデス・ロード』が完成する本作が、第77回カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門にて現地時間5月15日に上映、約7分間ものスタンディングオベーションが巻き起こった。
毎年5月に開催されるフランスのカンヌ国際映画祭は、ドイツのベルリン国際映画祭、イタリアのヴェネチア国際映画祭と並ぶ、世界三大映画祭の一つとして、世界中の映画ファンから毎年絶大な注目を集めている。
本映画祭には2015年に前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が、今回と同様、アウト・オブ・コンペティション部門に出品されており、『マッドマックス』サーガとしては実に9年ぶりのカンヌへの凱旋。ジョージ・ミラー監督とともに、マックス役トム・ハーディやフュリオサ役シャーリーズ・セロンらが登壇していた。
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そして今回はその意思を受け継ぎ、若きフュリオサを演じたアニャ・テイラー=ジョイと、宿敵ディメンタス役のクリス・ヘムズワース、フュリオサのメンターとなる警護隊長ジャックを演じたトム・バーク、フュリオサの少女時代を演じたアリーラ・ブラウン、クリスの妻であり本作にも出演するエルサ・パタキー、ミラー監督がレッドカーペットに華やかに登場。会場の歓声はまさにMAXとなった。
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本編の上映が終了すると、なんと約7分間ものスタンディングオベーションが。会場は割れんばかりの拍手で包まれ、アニャは満面の笑みを浮かべながらミラー監督を称え、クリスも監督の肩を抱き寄せ、カンヌ映画祭での大絶賛をチーム全員で称え合う感動的な一幕を見せた。
アニャ・テイラー=ジョイ「本当に誇り」
翌日行われた記者会見には、アニャ、クリス、トム、プロデューサーのダグ・ミッチェル、ミラー監督が参加。会場は満員で注目度の高さが伺えると共に、前日のワールドプレミア上映の興奮をひきずるような雰囲気の中で行われた。
ワールドプレミア上映について、アニャは「観客と一緒に観るのは本当に素晴らしい経験だった。私たちはカメラの後ろのトリックを知りすぎているけれど、映画のペースや、サウンドデザインや、すべての要素が素晴らしいと思えた。それはまたジョージの素晴らしさでもある。スタッフのなかにはすでに引退していたけれどジョージのために戻ってきた人もいた。本当に誇りに思えた」と熱くコメント。
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クリスは「自分にとっては始めてのカンヌで、素晴らしい体験ができた。オーストラリア人としてマッドマックスシリーズは特別だ。自分の子供時代を思い出すようなノスタルジーがあった。ここに連れてきてくれてありがとうとジョージに言いたい」と初のカンヌに感慨深げ。
トムは「昨夜の経験は本当に素晴らしかった。震えた。電気が走ったね」と明かし、プロデューサーのダグは「何年もジョージと本作のためにやってきたけれど、誇りに思う。ジョージとは43年前から一緒に仕事しているが、300人のクルーがいたけれど、ジョージがもっとも仕事をしていて、みんなジョージを慕っていた。本作は規模も大きく、とてもハードで、8か月、みんな働きっぱなし。本当にマッシブな映画。ワーナーはリスクをおかしてくれた。だからみんなにありがとうと言いたい」と舞台裏を明かすと共にスタッフへの感謝を述べた。
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また、長年人気を保てた理由を問われたミラー監督は、「わからないけど、運が良かったことはたしかだ。ストーリーのアレゴリーの面もあったかも。フランスでは一作目の『マッドマックス』について、車輪のついた西部劇と評された。日本ではマッドマックスは侍だと言われた。黒澤明の映画のように、彼らの伝統にフィットしたんだろう。素晴らしい」と明かした。
「生き残るためにああなった」クリス・ヘムズワースが役への思い明かす
本作では凄まじいカーアクションやバイクアクションを披露しているアニャは、アクションシーンの撮影について、「スタント・チームは素晴らしかった。できるだけ自分でやるようにしたけれど、いつもサポートしてくれて。その一方で、決してこれをやらなければならない、といった圧力は感じなかった。みんな私を信じてくれて、はげましてくれて、本当にすばらしいチームだった」とスタッフたちを称える。
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『マイティ・ソー』シリーズのソー役としても知られるクリスが悪役を演じることでも注目を浴びているが、クリスは自身が演じたディメンタス将軍について「このキャラクターの興味深い点は多くの面があること。雄々しい一方で、ジョージとも話して、大事なのはヒューマニティでもある、彼の脆い面も必要と。彼は過去に非常に苦しんでいて、それが弁解になるわけじゃないけれど、生き残るためにああなった」と話す。
「それを理解するのは大事だった。彼はとても大きなエゴに満ちた人間。他のマッドマックスの脚本とも異なり、彼の人間性が伝わることを願った。暴力的でもね。予想不可能なキャラだけど。作り上げる上で多くの自由があって、創造性があって、とても素晴らしい経験だった。ジョージに感謝しているよ」と、ミラー監督への感謝を述べた。
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また、衣装・ロケーションについて、「ストーリーを語る上で役立つものにならなければならない。コスチュームはゆえにキャラクターの延長のようなもの。スタイルや審美性、すべてに強いコネクションがある。もちろん、メークもロケーションも同様。そこにロジックがあるようにみんなで話し合った」と明かしたミラー監督。
アニャも同じ考えをもっているようで、「アクションシーンもすべてキャラクターの延長にある。彼らが何を望んでいるのか、何によって動かされるのかとか。そういう面がストーリーに深みを与えると思う。すべてが一緒になって層をもたらす」と語った。
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さらに、「自分が好奇心を忘れないことが大事。同じストーリーを何度も語ることに自分自身興味がない。自分は映画界でずっと働けてラッキーだから、それが続けられるように面白いことをやっていきたい」と今後も映画製作に対し意欲的な姿勢を見せる監督。
そのコメントに対し、プロデューサーは「偉大な映画は、観客の見方に影響を与える。モバイルの時代でも、ジョージの場合は、ロックンロールな価値がある。音響面でも特別だ。本作は、大きな映画館で観る特別な映画だ」と語り、そしてアニャも「インテレクチュアルで哲学的なロックンロール・オペラ」と表し、本作への自信を覗かせた。
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すでにオーストラリアプレミア上映では絶賛の声が相次いでいたが、今回のワールドプレミア上映でも、「『怒りのデス・ロード』につながる物語は感情的で機知に富み、意図的な野蛮さに満ちている」(INDEPENDENT)、「これまでに作られた最高の前日譚の1つであり、大胆な傑作」(DiscussingFilm)、「一流の世界構築、感情的に共鳴する監督の目、焼けつくようなパフォーマンス、シャープな映画撮影、そして地獄のようなスコアを織り交ぜた本作は、信じられないほどのアクションシーンと、人生と愛について注目に値するヒーローの旅」(IGN)、「『怒りのデス・ロード』に続きまたしても驚くべきスタントと視覚効果の水準が維持されている。」(Empire Magazine)、「特にテイラー=ジョイは驚異的だ」(Empire Magazine)など、早くも絶賛の声が溢れている。
『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)より全国にて公開、日本語同時上映。
IMAX/4D/Dolby Cinema/ScreenX上映。
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