第76回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、本年度映画賞レース最注目の『落下の解剖学』より本編映像が解禁された。
ザンドラ・ヒュラー主演の本作は、転落死した夫とその妻、そして視覚障がいのある11歳の息子を軸に展開されるヒューマンサスペンス。第81回ゴールデン・グローブ賞で、脚本賞と非英語作品賞の2部門受賞をした話題作だ。

そんな本作よりこの度、本編映像が解禁。不審な転落死を遂げた夫の死因は、事故か自殺か他殺か。警察の捜査の結論はいまだ出ていない中、妻サンドラは、過去付き合いがあった弁護士のヴァンサン(スワン・アルロー)に助けを求める。
やがてヴァンサンから淡々と伝えられる、客観的事実。「現場にいたのは君だけ、それに君は彼の妻」「君が寝てる間に誰かが来て殺したと、主張するのは無理があるだろう」と語るヴァンサンに、サンドラは「待って、私は殺してない」と思わず口を挟む。
だが「問題なのはそこじゃない」と一蹴され、自身から夫殺しの容疑を晴らすために必要なのは<真実以外>であるという逃れられない現実を突きつけられるシーン映像となっている。
本年度映画賞の台風の目となりつつある本作だが、ゴールデングローブ賞受賞時のスピーチでジュスティーヌ・トリエ監督は、脚本執筆時がコロナ禍の真っ最中であったということをふり返り「パートナーでもあり共同脚本家でもあるアルチュール・アラリと、ひたすらアパートに閉じこもって執筆していました」「私はこの作品をどうしても作りたかった」と、本作製作への熱い想いを明かしている。
『落下の解剖学』は2月23日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。