『シックス・センス』『オールド』のM.ナイト・シャマラン監督最新作『ノック 終末の訪問者』よりコメントが到着。監督流の演出方法についてスタッフらが語っている。
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予想もできない展開と恐怖・笑い・感動を一度に巻き起こすその唯一無二の作風で、新作が出る度に話題となり世界中の映画ファンを魅了し続けるスリラー映画の名手M.ナイト・シャマラン。そんなシャマランが今回挑むテーマは、ズバリ“究極の選択”。人里離れた山小屋でのんびりとした休暇を過ごしていた家族アンドリュー(ベン・オルドリッジ)、エリック(ジョナサン・グロフ)、養女のウェンの元に、突如武器を持った謎の4人の男女が訪問してくる…というストーリー。
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身の危険を感じ恐怖で怯える一家に対し、リーダー格の大男レナード(デイヴ・バウティスタ)からは、家族の誰かをひとり選んで殺せ、さもなければ全人類が滅ぶという衝撃の言葉が繰り出される。あまりにも理不尽で突拍子もないその要求に状況が飲み込めない家族たち。愛する家族か世界の終焉かという究極の選択を迫られた3人は果たしてどうなる?
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本作に登場するのはゲイカップルとその養女の3人家族だが、もともとシャマランの映像作品の中心には、いつも家族がいた。過去にシャマランの手掛ける作品5本に関わったプロデューサーのマーク・ビエンストックが「ナイトの映画は一貫して家族を軸に語られていて、その作品ごとに観客は、登場人物たちと一緒に心の旅路を歩んでいく」と言うように、コロナ禍で初めての撮影となった前作『オールド』(21)に続き、本作も家族を軸に語られる作品となっている。
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また、常に挑戦を好むシャマランが本作で挑んだのは、映画一本をほぼ丸ごと密室劇にするという高いハードルだった。「僕は一箇所に閉じこもっている状態を描いた物語や、壮大なストーリーを小さな窓を通して伝えることに凄く惹かれるんだ。物語の大きさとその語り方を並べた時のあの抑制、あのバランス、そういうのが僕にはたまらないんだ」とシャマランは語る。本作ではほぼワンシチュエーションの中、登場人物の葛藤や恐怖、そして緊迫感を見事に描き出している。
さらに、今回は創作上の新たな可能性にも踏み込んでいるようで、製作総指揮のスティーヴン・シュナイダーは「ナイトはこの作品で、サスペンスという手法にとことん集中している。特に彼はヒッチコック監督が大好きだ。今回は存分にヒッチコック流に攻めていて、ショットの組み立て方や、あらゆる映画的要素を駆使してハラハラドキドキを盛り上げている。演技から照明から編集からブロッキングまで、さまざまなところにそれが活かされている」と話す。スリラー・サスペンス映画の第一人者でもあるヒッチコックへのリスペクトが詰まった作品にもなっているという。
伝説的メガヒット作『シックス・センス』(99)を筆頭に、ハリウッドの常識を塗り替える名作、奇作を生み出してきたシャマラン監督。本作でも観客の期待に答えてくれる作品になっているに違いない。
『ノック 終末の訪問者』は4月7日(金)より全国にて公開。