映像作品、音楽、本、コスメ、家電、洋服に至るまで、定額料金でサービスが使い放題になるサブスクリプションサービスが定着した。私たち消費者は、どのサービスが自分に合うかを見極めたり、試行錯誤したりして、日々取り入れている。
映画業界においては、タイトル数やオリジナル作品の製作などで個性を発揮するサービスも多い。そんな中で、デジタル上のミニシアター空間を目指し、こだわり抜いたセレクトで勝負する「ザ・シネマメンバーズ」が静かに息づいている。
かつて足しげく通っていたミニシアターといえば、思わぬ作品との出会いや特別感が得られ、ホクホクした思いを感じられた、唯一の場所。本サービスは、あのときの思いを今私たちの自宅に、手元に届けようとしている。
まだまだ知られていないミニシアター系サブスクという形態について、シネマカフェのアンバサダーである「シネマカフェフレンド」の皆さんに触れてもらい、サービスの第一印象やミニシアター作品の良さを語り合ってもらった。
――皆さんには、初めて「ザ・シネマメンバーズ」をご覧いただきました。第一印象はいかがでしたか?
ERI:映画好きな人をターゲットにしているんだな、と思いました。私はミニシアターが大好きでよく観に行っているほうだと思いますが、それでも知らない名前やタイトルも多かったので驚きました!本当に好きじゃないと入りづらそうではありますが、好きな人にはめちゃくちゃ刺さるのかなって。
moegi:ERIさんのお話、すごくわかります。私も最初見たとき、フランスのヌーベルバーグ時代の画像がいっぱいあって、目を引かれました。
まっくる:ミニシアター系作品の一番推されているスチール(TOP画像)がパッと一番前に出てくることで、物語を知らなくても「どんな作品なんだろう?」と思わせる力がありますよね。だからこそ、カーソルを合わせたときに、あらすじもちょっと出てくるようになれば、もっといいかもしれません。あと、第一印象としては「おしゃれなサイト、すごく素敵だな」と思いました。
――特に観たいと思った作品などは、ありましたか?
まっくる:ウォン・カーウァイ特集が、とても気になりました。『恋する惑星』はDVDを持っているんですけど、『天使の涙』は鑑賞する機会がないまま、レンタル屋さんに行くこともなくなってしまったので未見なんです。今、こうしたタイトルがあるのが、すごく嬉しいです。
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moegi:フェデリコ・フェリーニの『サテリコン』は観たんですけど、ほかの作品は観たことがないので、観たいです!大手配信サービスを探してもなかったので、ザ・シネマメンバーズならではの強みだと思いました。
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――ザ・シネマメンバーズは、どんな方が使っていそうなイメージを持ちましたか?
さめにゃん:私は普段から最近の映画をよく観るほうなので、一覧を見ても、実は知っている映画がなかったんです。なので、すごく映画に詳しい方だったり、取り扱っている作品の年代の映画が好きという方がよく使っているのかな、と思いました。私なら、まずはランキングを見て、画像を見て、ジャンルで探していくという使い方をします。
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「ザ・シネマメンバーズ」のランキングをみる
まっくる:いろいろな名作を探している人が登録しているのかな、と思いました。まだ観たことのない作品を探してみたい、という人。私はいくつかサブスクの配信サービスに加入しているんですが、配信タイトルが多すぎるので、結局どれを観ていいかわからなかったり、後回しになっちゃったりすることも多くて…。
全員:わかります!
まっくる:その点、ザ・シネマメンバーズは特化している点で探しやすい、出会いやすい。サービス担当者の目を通って“選ばれている”作品が掲載されているところが明らかですし、安心します。観やすいという気持ちを抱きやすいのかな、と思いました。
――今回は、ミニシアター好きの方も、これまで触れていらっしゃらなかった方にも集まっていただいています。皆さんが思うミニシアター作品の魅力は何でしょうか?
anzu:私はミニシアター系が結構好きです。宝探し的な感覚で、自分だけの大切な作品が探せそうという意味で観たり、ジャケットだけで借りちゃったり、そういう楽しみ方もしています。あと、大学時代にフランス文学を学んでいました。ミニシアター系にはフランス映画も多いですよね。フランス映画は終わりに考えさせる余韻を残す、いろいろな解釈ができる、考え方を掘り起こせる…答えがひとつじゃないところが魅力だと思っています。
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ERI:私もミニシアターはすごく好きで、頻繁にチェックして月に3~4回行くほど、よく観ています。ミニシアターで観るという映画体験が好きで、何にも代替できない感覚だと思っています。あとは映画そのものの豊かさというか、普段生活している当たり前から思いっきり外れた時間の流れや美しさ、現実から引き離してくれるような、映画ならではのいざなってくれる感覚がミニシアター独特の魅力なので、すごく好きです。
moegi:チェコの映画にハマっていたとき、特によく観ていました。知らない世界観を知ることができるのも魅力だと思っています。私自身がデザインの仕事をしているのもあって、ミニシアターは、日本の映画やハリウッド作品とはまた違う美術や衣装からネタをもらえたり、創作意欲を掻き立てられるような存在です。まだまだ観たことのない作品がいっぱいあるので、これからも発掘していきたいです。
さめにゃん:私は皆さんと違って、ミニシアターのことを全然知らなかったので、座談会に参加する前に実はちょっとググりました(笑)。私にとってはハードルが高いので、皆さんのような詳しい方から、ぜひ「こういうの、お勧めだよ」と教えてもらいたいです。それだけでも、敷居がずいぶん下がるのかな、と思ったりしました。
――なるほど!ではanzuさん、お勧めなどありますか?
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anzu:え、私でいいんですか?最近、エリック・ロメールの『海辺のポーリーヌ 』と『緑の光線』を観たんです。これまでのフランス映画はわかりにくいのが多かった印象ですが、ロメールの作品はわかりやすく、かつ、映像もすごくキレイでかわいらしくて、誰でも楽しめる映画なのかなと思ったので、お勧めしたいです!あと、個人的にはロイ・アンダーソンがすごく好きです。無彩色に近い美的感性の作品なので、美しい情景を見るだけでも美術館に行った気持ちになれて好きです。
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