原作小説は、日本でも翻訳本が2018年12月に刊行されるとたちまち共感の声が広がり、発売2日目にして重版が決定し15万部を突破。2019年上半期<海外文学>第1位となり、大型書店で品切れが続出するほど異例の売れ行きとなった話題作。
「韓国の1982年生まれの女性で最も多い名前」である“ジヨン”という名を持つ女性の、少女時代から結婚、出産に至るまでの人生を通し、韓国のジェンダー意識に関わる現代史や社会問題を織り交ぜながら、女性が負う重圧と生きづらさを映し出している。
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韓国では2016年に刊行されるやいなや、多くの女性の共感を呼び130万部を超える大ベストセラーに。その熱狂は海を越え、台湾、ベトナム、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど18か国・地域での翻訳も決定している。
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その主人公キム・ジヨンを演じるのは、2011年に社会派の『トガニ 幼き瞳の告発』、2016年に1156万人の観客を動員した『新感染 ファイナル・エクスプレス』に出演してきたチョン・ユミ。両作で共演したコン・ユと3度目にして初の夫婦役に挑戦し、共感を呼び起こす繊細な感情の演技を披露している。
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監督は、短編映画で注目され、本作が長編デビュー作となるキム・ドヨン。自身も2人の子を持つ母であり、現代女性の生きづらさを描いた原作をすべての人たちの心を震わせる物語に見事に昇華させた。
原作の持つメッセージを大切にしながらも、映画としての「物語」の強さで観客を引き込んだ本作は、韓国では3週連続No.1となる大ヒットを記録している。
これは私たちの物語。未来の希望につながる物語
結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨン(チョン・ユミ)。常に誰かの母であり、妻である彼女は、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。「疲れているだけ、大丈夫」。そう夫のデヒョン(コン・ユ)にも自分にも言い聞かせる彼女だったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになる。
そのときの記憶はすっぽりと抜け落ちている妻に、デヒョンは傷つけるのが怖くて真実を告げられず、ひとり精神科医に相談に行くが、本人が来ないことには何も改善することはできないと言われてしまう。なぜ彼女の心は壊れてしまったのか。少女時代から社会人になり現在に至るまでの彼女の人生を通して、見えてくるものとはーー。
『82年生まれ、キム・ジヨン』は10月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。