■ストーリー
トラーは、ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト・リフォームド」の牧師。ある日、ミサに来た若い女性メアリーから、環境活動家の夫マイケルが思い悩んでいるので相談に乗ってほしいと頼まれる。仕方なく出向いたメアリーの家でマイケルと話したトラーは、彼が地球の未来を憂うあまり、妊娠中のメアリーの出産に反対していることを知る。
必死に説得を始めるトラーだが、心の底ではマイケルに共感し、自分の説明に納得のできないもうひとりの自分がいた。一方、彼は自分の所属する教会が、環境汚染の原因を作る大企業から巨額の支援を受けていることを知る。本当の正義とは一体何なのか。トラーの信仰心は徐々に揺らぎはじめ、やがて怒りにも似た感情が彼を蝕んでいく…。
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戦争で失った息子への罪悪感を背負って暮らす牧師が、自分の所属する教会が社会的な問題を抱えていることに気づき、徐々に信仰心が揺らぎはじめ、諦念と怒りで満ちていく様子を描いた本作。
聖職者でありながら内なる怒りと葛藤を抱え、やがて狂気の淵に追い込まれていく主人公トラー牧師を熱演するのはイーサン・ホーク。
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各地の映画批評家協会賞では、ブラッドリー・クーパーやラミ・マレックなどの有力候補を上回り、最多の男優賞を受賞。今回惜しくもアカデミー賞ノミネートはならなかったものの、高く評価されている。
彼を頼る女性メアリーには『マンマ・ミーア!』『レ・ミゼラブル』などのスター女優アマンダ・セイフライド。
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トロント映画祭でお披露目された本作は、「ポール・シュレイダー最高傑作」と評され、批評家からの絶賛に次ぐ絶賛を浴び、アメリカでは気鋭の配給会社「A24」による公開でスマッシュヒット。
本年度の賞レースでも大きな話題を集め、ゴッサム賞では作品賞、脚本賞、男優賞の最多3部門でノミネートされ、脚本賞と男優賞を受賞。ナショナル・ボード・オブ・レビューでは脚本賞受賞、ベスト10に選出など、59もの映画賞を受賞し、103ノミネートを達成(1月22日現在)。日本時間1月22日22時すぎに発表されたアカデミー賞のノミネーションでは見事、脚本賞でシュレイダー初のオスカーノミネートを果たしている。
『魂のゆくえ』は4月12日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国にて順次公開。