原作のタイトル『The Perks of Being a Wallflower』にある「Wallflower」というのは直訳すれば「壁の花」という意味で、ダンスパーティで踊りに参加できず傍観者になっているはみ出し者の事を指す単語。これは小説家を目指す多感な少年チャーリーがミドルスクールから高校へ進学し、新しい環境になじもうとする過程で起こる出来事をビビッドに描いた作品だ。
この本は発売後、アメリカの一部の高校生にカルト的に支持され、J. D. サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の再来だとも言われ、実際、多くの高校がカリキュラムの一環として必読書にしている。同性愛、セックス、自殺などが出てくるにもかかわらず国語の授業で教材として使われていることからも察せられるとおり、非常にまじめなテーマを扱った作品なのだ。