現代の“スクールカースト”を見事に描き日本アカデミー賞を総なめし、2012年の“青春映画の金字塔”として絶賛された『桐島、部活やめるってよ』。今年2013年も残すところわずかだが、先週末公開された『ウォールフラワー』が“『桐島』の再来”と注目を集めている。物語の主人公は、スクールカーストの最下層で、ただ小説家になることだけを心に抱いて日々を“やり過ごす”少年・チャーリー。そんな彼の生活は、陽気でクレイジーなパトリック(エズラ・ミラー)と美しく奔放な少女・サム(エマ・ワトソン)の兄妹との出逢いにより一変。初めての“友情”そして“恋”――世界は無限に広がっていくように思えたが、チャーリーがひた隠しにする過去のある事件をきっかけに、彼らの青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める…。封切りから1週間が過ぎようとしているが、SNSやレビューサイトで観客たちからの絶賛の声が挙がっている本作。先日、行われた上映イベントで松江哲明(映画監督)らとアツいトークを繰り広げた際にも、花くまゆうさく(イラストレーター)が「“リアルタイムで名作誕生に立会っている!”という気持ちで観ていました」と語ったほど。本作を鑑賞した人々にもその想いが伝播したかのように、続々と熱を帯びたコメントがあがっている。特に、“ウォールフラワー(=壁際に咲く花)”のような存在として描かれるチャーリーに自らを重ね合わせ、誰もがこぞって応援している。「自分自身を見ているようで、懐かしいような、こそばゆいような、そんな感触を受けた。当時の自分に、この映画を見せてあげたい」。「この作品について語る=自分の学生時代を語らざるを得ない。いつだって楽しげな友人やクラスメイトを壁際から見ていた人たちにとっては、尋常じゃないパワーを持って迫る映画」。この純度100%の青春時代を追体験するかのような本作。さらに、愛されているのはなにもチャーリーだけでな、パトリックやサムもそれぞれに深い悩みを抱えており、青春時代の独特の悩みや苦悩に共感する声も。「3人ともに魅力的に描かれていて、辛さ切なさ嬉しさの混じる青春を疑似体験させてくれた。愛おしい作品」。「抱えている悩みがそれぞれにあって共感できるとこも、懐かしい思いもあって、キュンとする」。さらに、「遥か昔に置いてきたものをじんわり思い出して涙が出た」など懐かしく遠い“あの日”の輝きが目の前でシンクロし、胸が熱くなったという人も続出中だ。そんな大人たちを始め、著名人や映画ライターからの絶賛はあふれんばかり。口コミで大ヒットを遂げた『桐島』同様、まだまだ鑑客たちの“アツい想い”は広がっていきそうだ。『ウォールフラワー』はTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開中。