スティーヴン・スピルバーグ監督率いる第66回カンヌ国際映画祭の審査員団は、5月26日(現地時間)、「パルムドール」(最高賞)にアブデラティフ・ケシシュ監督の『アデルの人生』(原題:La Vie D'Adele)を選び、12日間の幕を閉じた。また、福山雅治が主演を務めた是枝裕和監督の『そして父になる』は「審査員賞」に輝いた。是枝監督は、授賞式で「僕を子どもとして生んでくれた父と母、そして僕を父にしてくれた妻と娘に感謝します」と感激の面持ちでスピーチ。受賞後の会見では「タキシードを高いクリーニングに出した甲斐がありました(笑)」と笑顔を見せ、「次はもっと上を目指したい」と今後への豊富を語った。主演の福山さんは18日夜(現地時間)に行われた公式上映の場で、喝采を浴び“男泣き”をしていたが、果たしてどんな祝福を贈るのだろうか?そして、注目の「最高賞」に輝いた『アデルの人生』は15歳の少女・アデルが、美大生・エマと激しい恋をし、女性として成長していく姿を丁寧に描いたドラマ。主演のアデル・エクサルコプロスと、レア・セドゥは、ケシシュ監督と共に「3人のアーティスト」による連名での受賞という、異例の名誉を受けた。これに対し、審査委員長のスティーヴン・スピルバーグ監督は「2人の女優と、監督との繊細な共同作業で生まれた映画。もし2人の演技が3ミリでも違ったら、こんなに傑作にはならなかった。その意味で、彼女たちも監督と同列に称えたい」として、彼女たちを監督と同格として扱った理由を語った。同作を始め、受賞作はどれも現地の星取表で上位につけており、今年のカンヌはほぼ下馬評通りの結果となった。<第66回カンヌ国際映画祭/主な受賞結果>■「パルムドール」『アデルの人生』(原題:La Vie D'Adele)アブデラティフ・ケシシュ監督(フランス)■グランプリ『Inside Llewyn Davis』(原題)ジョエル&イーサン・コーエン監督(アメリカ)■監督賞『Heli』(原題)アマット・エスカランテ(メキシコ)■審査員賞『そして父になる』是枝裕和監督(日本)■脚本賞『A Touch of Sin』(英題)ジャ・ジャンクー(中国)■最優秀女優賞『Le Passe』(原題)ベレニス・ベジョ(フランス)■最優秀男優賞『Nebraska』(原題)ブルース・ダーン(アメリカ)