5月18日・夜(現地時間)、第66回カンヌ国際映画祭で、「コンペティション」部門に出品されている是枝裕和監督の最新作『そして父になる』の公式上映がメイン会場となるグランド・ルミエール劇場で行われた。レッドカーペットには、是枝監督、主演の福山雅治を始め、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、子役の二宮慶太、黄升げんが、仲良く手を繋いで登場。上映後は、満場の観客から約10分間にもおよぶスタンディング・オベーションが贈られ、是枝監督、福山さんらは感激の面持ちで、涙を浮かべていた。福山さんは、「僕は自分のことでは泣かないんですが、是枝監督に降り注ぐスタンディング・オベーションに感動して、男泣きでした」と、興奮冷めやらぬ様子で語り、是枝監督も「こんなに長い間、熱い拍手をもらい、思った以上に届いた、と満足しました」と話した。リリーさんは「監督の背中を見てたら感激して、号泣しそうになった。これから辛いことがあったら、これを思い出して飲みます」と話し会場の笑いを誘った。また、福山さんの父親役を演じ、先日この世を去った夏八木勲について、「ここできっと見てくれているんじゃないかなと思うくらい、いい作品の届き方をしていました」(福山さん)、「最後まで役者を貫き通した姿を見習い、僕も映画を作り続けたい」(是枝監督)とそれぞれに思いを語った。 映画は、6年間育てた息子が取り違えられていたことに悩む父親(福山さん)を中心に、家族のあり方を問いかける。スティーブ・スピルバーグ委員長ら、審査員団の心にどう響いたか。受賞結果は26日・夜(現地時間)に発表だ。『そして父になる』は10月5日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。