16日(現地時間)、今年のカンヌ映画祭コンペ部門の最大の注目作、テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』が上映され、主演のブラッド・ピット、ジェシカ・チャスティンらが記者会見を行った。『天国の日々』、『シン・レッド・ライン』などの監督で、公の場に一切登場しないことで知られるマリックは、カンヌにもやってきておらず、プロデューサーも勤めたブラッド・ピットが代弁者として多いに熱弁をふるった。監督の欠席に関しては「彼は映画作りを、家を建てると同じようなことだと考えているんじゃないかな。この業界では、映画の作り手が、映画を売ること求められるけれど、テレンスはそこに納得がいかないんだと思う。確かに、物を作ったアーティストにセースルマンも兼ねさせるのは、不思議なことだよね」と、弁護した。映画はショーン・ペン扮する成功した建築家が、ブラピ演じる信仰にあつく威圧的な父親に育てられた1950年代のテキサスでの少年時代をふり返るというストーリー。自らとの共通点を聞かれたブラピは「僕も南部のキリスト教徒の家庭で育ち、すべては神の御心のままに、ということに疑問を持ったのを覚えている。この映画は多くの疑問を投げかけるし、子供時代というのは、どこに育っても共通点があるはずだ」と答えた。さらに「厳格な父親を演じることには、少し抵抗があったんだ。でも、この物語においてはとても重要なことだし、大切なのは子供のたどる過程だよ。僕自身、いまは自分の子供についてあらゆることを考える。“子供が大きくなってこれを見たらなんて思うか”とも考えるけど、僕のことを父親としてよく知っているからなぁ。できれば彼らが“すごい俳優だな”って思ってくれることを願っているよ(笑)」と、父親としての顔も見せた。夜には、アンジェリーナ・ジョリーと共にレッド・カーペットに登場。記者会見には間に合わなかったショーンも駆けつけ、会場前に集まった多くのファンを沸かせた。(text/photo:Ayako Ishizu)特集「カンヌ国際映画祭 現地から最新ニュースお届け」http://www.cinemacafe.net/fes/cannes2011/