今年のアカデミーで助演女優賞と脚色賞の2部門に輝いた『プレシャス』に主演し、自らも主演女優賞にノミネートされたガボレイ・シディベが来日し、4月5日(月)に開催された本作の特別試写会の舞台挨拶に登壇した。本作は、80年代後半のニューヨーク・ハーレムを舞台に、幸福とは言えない境遇に育った少女・プレシャスがフリースクールへの通学をきっかけに学ぶことの幸せを知り、自分の人生を生きる一歩を踏み出していく姿を描いたドラマ。真っ赤なドレスに身を包み、大きな拍手で迎えられたギャビー(=ガボレイ)は、日本の印象を尋ねられ「まだ多くは見てないけど、コンビニに行ってみたいし自動販売機で何か買いたい。あと、原宿にも行きたいわ」と語った。演技経験がほとんどないところから、アカデミー賞ノミネートに至った彼女をめぐるシンデレラストーリーは、映画の内容ともあいまって注目を集めているが、本人は「この映画以前は大学生兼受付の仕事をしてたの。女優を目指していたわけでもなく、たまたま友人に教えられたオーディションに気まぐれで行ったんだけど、月曜日にオーディション受けて、水曜日には役をもらったのよ」とケロリとした表情。演技に関しても「ほとんど初めてのことだったけれど、難しいとは全く思わなかった」とこともなげに語ったが、オスカー授賞式への参加に関しては「この作品が一体どこに行きついたのか? という意味で、誇りに思える出来事だったしとっても幸せだったわ」と嬉しそうにふり返った。タイトルの“プレシャス(=貴重な、大切な)”に因んで、あなたにとってかけがえにないことは? という質問に「できるだけ、眠ることね」と愛嬌たっぷりに答えてくれたギャビー。今後も女優を続けるか? という問いには力強く頷き「コメディにもホラーにも出てみたいし、スーパーヒーローもやってみたいわね」と意欲を見せた。最後には用意された色紙に筆ペンで、練習してきたというカタカナで“プレシャス”と豪快に書き込んでくれたギャビー。贈呈された桜の花を手に観客と共に記念撮影に収まった。『プレシャス』は4月24日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。