韓国ドラマを長く見てきて、「あの年は豊作だった」と感心できることがよくあった。
その時期に応じて、「ラブコメの傑作がたくさんあった」「ファンタジードラマの名作が多かった」という流行がドラマ業界を賑わせてくれたのだ。そういう中で、いま振り返っても「あの年は時代劇が充実していたなあ」と実感できたのが2021年だった。
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この年は、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』(tvN/2020年12月~2021年2月)で幕を開けた。シン・ヘソンとキム・ジョンヒョンが主役カップルになったが、シン・ヘソンが演じる王妃に現代韓国の男性の魂が入り込むという設定が爆笑を呼んでいた。
続いて、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』(KBS/2月~4月)が登場した。主役男優の降板騒動も起きたが、代役となったナ・イヌが立派にやり遂げた。さらに、キム・ソヒョンが高句麗(コグリョ)の王女を演じてスケールが大きい歴史大作を成功に導いた。
『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』(MBN/5月~7月)の主演はチョン・イルとクォン・ユリ。未亡人といった寡婦を誘拐して再婚させてしまうというポッサムが専門の主人公が、こともあろうに王女を間違って連れていくという展開が面白かった。
大きな話題になったのが『恋慕』(KBS/10月~12月)である。主演はパク・ウンビンとロウン。女性が世子になるという奇抜な展開が興味深かったし、パク・ウンビンの演技もとても良かった。

時代劇の当たり年
2021年で最大の注目作になったのが『赤い袖先』(MBC/11月~2022年1月)だ。主演はジュノとイ・セヨン。名君としてあまりに有名なイ・サンをジュノが演じて、宮女との王宮ロマンスを抒情的に描いていた。また、王宮に奉職した宮女たちの生活が細かく描写されていて、その中で陰陽を巧みに生かした映像美が見事だった。
以上の他にも、『ホン・チョンギ』(SBS/8月~10月)や『御史とジョイ』(tvN/11月~12月)などもあった。
これほど面白い時代劇が目白押しだったので、2021年は本当に時代劇の当たり年だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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