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【インタビュー】高橋文哉、田中圭からも学んだ“座長の在り方”「あのときの意味を再認識」

高橋文哉と田中圭が、4年ぶりに再共演を果たした。「経験」をテーマに、それぞれの想いを語っていただいた。

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田中圭&高橋文哉/photo:You Ishii
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“座長”としての在り方とは?


――高橋さんが「先生を消す方程式」の際に、田中さんから学んだ“主演の在り方”はありますか?

高橋スタッフさん・キャストさん含めたコミュニケーションの取り方、空気感の作り方でしょうか。生徒役も数十人と多く、緊張感が流れる瞬間もあった現場でしたが、圭さんが教壇に立って和ませる姿を見てきました。そのときはまだ気づけていませんでしたが、自分が主演をやらせていただくようになってあのときに圭さんがやって下さっていたことの意味をちゃんと再認識できるようになってきた気がします。

田中:今回、文哉くんから座長としての頼もしさを感じました。タイトなスケジュールの中でも嫌な顔一つ見せず、まっすぐに自分の役と作品、そして現場に向き合っていました。だからこそスタッフさんも他のキャストも「ついていこう」「文哉くんの負担をちょっとでも減らしたい」と思えたのではないかと思います。色々なタイプの座長の在り方がありますが、文哉くんらしさと年齢やキャリアを考えたバランス的にもとても素敵だなと感じました。

――田中さんご自身は、座長としての臨み方をどのように実践されているのでしょう。

田中:僕は基本的に、みんなが楽しくやる気になってくれるような現場づくりを目指しています。どの現場も、キャストだけでなくスタッフさんもみんな大変だと思うんです。様々な大変な思いをそれぞれがするなかで、結果が出ないこともあります。それでもみんながこの仕事を続けるのは好きだからだと思っているので、その原点を思い出せるような現場づくりは心がけています。

高橋:僕は今回、キャストの皆さんとたくさんコミュニケーションを取れたわけではありません。そんななかで、スタッフの皆さんが少しでも笑ってくれて疲れが取れるといいなと思い、なるべく自分から話しかけるようにしていました。

田中圭、高橋文哉の「40代での変化」に興味


――前回の共演から4年経ち、お互いに変化を感じられたのではないでしょうか。

高橋:圭さんは変わらないなと思いました。自分が19歳のときに抱いていた包容力が数年ぶりに蘇り、背筋が伸びた気もしたし、逆に肩の荷が軽くなるような感覚もありました。

田中:文哉くんは元々の可愛らしさや真面目さは変わらず、経験を積んだことで顔つき一つとっても違いましたし、自信があろうがなかろうが主演としてここに立つんだ、という意志が伝わってきました。4年前よりさらにお芝居が好きになったんだろうな、という印象も受けました。

僕としては、悪い変わり方をした文哉くんも見てみたかったのですが…(笑)。「俺はスターだぞ。田中遅ぇな」みたいにわかりやすく変わっていないかなと期待して現場に臨んだら、全くそのようなことなく相変わらずいい子でした(笑)。文哉くんの中にキャリアが蓄積されているんだなということがわかりました。文哉くんが調子に乗るには、あと6年くらいかかるかもしれない…(笑)。

――ちなみに田中さんの19~23歳頃の想い出はいかがでしょう。

田中:バイトの想い出が強いかもしれません。仕事がないときはバイトに明け暮れていました。いま振り返ると大変でしたが、あのときはあの時で楽しい苦労をしていたなと思います。

同じ19~23歳でも、文哉くんと僕には天と地ほどの差がある気がします。僕の19歳当時は息の仕方もわからないのに川の底を歩いているような時期でしたし、もちろんそういうものも込みで経験になりましたが、芸能という仕事における23歳までの経験値でいったら文哉くんは圧倒的です。そのぶん、文哉くんが僕と同じ40代に入ったときにどう変化しているかには興味があります

撮影現場においての対応力


――おふたりは『あの人が消えた』の現場において、ご自身が事前に抱いていたテイストやトーン、テンションが違うかもと感じたとき、瞬時に切り替えたと伺いました。こうしたスキルは、やはり経験によって培われたものでしょうか。

田中:経験は大きいと思います。やっぱり、自分ができないことを言われても対応できません。どんなリクエストが来ても対応できるようになるためには経験を積む必要があると思います。ただ基本的にはその人の性格だとも感じます。

高橋:確かにそうですね。

田中:役者には合わせることが得意な人、理解力が高い人、理解していなくても感覚で出来てしまう人もいますし、もっと言うと「合わせない」タイプの人もいます。もし文哉くんが合わせない人だったら切り替えなかったでしょうし、性格による部分も大きいように思います。

高橋:僕はこの役においては、とにかくスポンジのように吸収する存在でいなければと思っていました。自分としても、この現場で主演を務めさせていただくのがどれだけ責任のあることなのかを意識していないといけないと感じていましたし、丸子も後半になるにつれて顔つきが変わっていくように作り上げたいと思っていたので、他の役よりは受け入れ態勢ではありました。

▼高橋文哉
ヘアメイク:KATO(TRON)
スタイリスト:丸山晃 

▼田中圭
ヘアメイク:岩根あやの
スタイリスト:荒木大輔

《text:SYO/photo:You Ishii》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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