“山奥の廃墟でゾンビ映画を30分ワンカットで撮影する”という映画を描き、社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』をフランスでリメイクした『キャメラを止めるな!』。
オリジナル版と同じ、30分ワンカットで描くゾンビ映画という設定に加えて、日本で作られた大ヒット作のフランス版リメイクという構造が重ねられている本作で、通訳役を演じたフランス在住の日本人俳優・成田結美にも「面白かった!」と絶賛が寄せられている。
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本作には、フランス側のプロデューサーからの無茶な要望と、キャストのワガママとの間で板挟みになる監督のヒグラシ(ロマン・デュリス)をさらに追い詰める存在として、オリジナル版でもお馴染みの竹原芳子演じる無茶ぶりプロデューサー、マダム・マツダが登場する。マダム・マツダに振り回されるヒグラシの姿が笑いを誘うことになるが、このシーンで通訳としてマツダを支えるのが成田さんだ。
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成田さんは10年前にフランスに渡り、フランス語を学びながらイチから俳優としてのキャリアをスタート。昨年公開の映画『Tokyo Shaking』(原題)ではメインキャストに選ばれるなど、着実に活躍の場を広げている。
本作で海外映画初出演を果たした竹原さんも、フランスでキャリアを積んできた成田さんを頼りにしていたといい、「5日間、撮影でご一緒しましたが、フランスでの撮影についての話とか色々教えて頂きました。通訳さんが隣にいないときや、監督からのちょっとした指示ややりとりを通訳いただいたりもして、とても心強かったです」と語る。
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劇中のワンカットゾンビ映画、そしてフランス版リメイク製作の両方を支えた成田さんは、アカデミー賞受賞ミシェル・アザナヴィシウス監督が手掛ける日本でヒットした作品のフランスリメイクに出演が決定したとき「信じられない程嬉しくて、電話を切ってから叫びました」とふり返る。かねてから尊敬していたアザナヴィシウス監督の常に面白い作品を作ろうとする姿にはとても感銘を受けたと言い、撮影は「笑えが絶えない楽しい現場」だったそう。
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また、「フランスでは、撮影中にセリフを間違えたり、何か問題があってもカメラを止めず、そのまま最後までシーンを撮り続けることや、アドリブで演じることが多々あります」と実際に“カメラを止めない”と語り、出演シーンをともにした竹原さんとの撮影は、そうした日本とフランスの撮影方法や文化の違いについて話しながら、楽しくリラックスした雰囲気の中で進み、信頼関係を育んでいったことがうかがえる。
第75回カンヌ国際映画祭ではオープニング作品として上映され、上映後にはスタンディングオベーションが起こるなど、大きな話題を集めた本作。カンヌ後は業界の人から一般の人まで、「通訳役が面白かった!」「鋭い演技が印象に残った」「日本人コンビが面白くて最高だった!」などコメントが寄せられ、ほかの撮影現場でも「『キャメ止め』に出てた俳優さんだよね!」と声をかけられるようになったそう。
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本作をきっかけに世界から注目を集めている成田さんだが、「日本映画やドラマも大好きなので、日本人の監督さんと色んなスタイルの作品に挑戦してみたい」と、日本での活動にも意欲を見せる。さらにフランス国内に限らず英語圏への進出も目指しているとか。
そんな成田さんは日本の観客に向け、「フランスのユーモアも加わり、さらにパワーアップした『キャメラを止めるな!』、ぜひお楽しみにしていてください!」とメッセージを送ってくれた。
『キャメラを止めるな!』は7月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。