練習の成果を発揮し、遂にスーパーパワーを使って子どもを助けるもほろ苦いデビューをしてしまったカマラ。その姿をダメージコントロール局に見つかり追われるも、間一髪、助けてくれたのはイケメン転校生のカムランとその母親…! いったい彼らは何者なのか、今話ではカマラのルーツが明らかに。
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カマラのひいおばあちゃん、アイシャと仲間たちの全日譚から始まった今話。冒頭、登場人物たちが立っている床にさりげなく刻まれているのは、映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で登場したテン・リングスのマーク。そしてカマラが現在持っているバングルは、(確定ではないが)『キャプテン・マーベル』に登場した青い肌のクリー人の物であるかもしれないことも示唆された。映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のエンドクレジットシーンで、シャン・チーが父親から受け継いだリングをウォンと分析する場に、キャプテン・マーベルも同席していたことを考えると、今後大きく絡んできそうな気配に期待が高まる。さらには、カマラのルーツがジンであり、彼らは別の次元から来たという、MCUフェーズ4の軸の一つであるマルチバース設定もしっかり登場。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のアメリカ・チャベスとのクロスオーバーにも期待したくなってしまう。
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MCUの他作品とのつながりも出しつつ、「ミズ・マーベル」の魅力は何といってもドラマシーンの丁寧さ。イスラムの文化や歴史をしっかりと描きながら、カマラ、ブルーノ、ナキアそれぞれのティーンとしての瑞々しい葛藤にもきちんとスポットを当てる。加えて、ダメージコントロール局がモスクにドカドカと入ってきて、強制的に捜査をしようとするシーンに、アメリカにおけるイスラム系移民の扱われ方も見え、マーベルのような人気作でああいった描写も欠かさず入れることに誠実さを感じる。また、兄の結婚式のシーンも、各キャラがとても愛らしくダンスを披露しとってもチャーミング! 正直、ジンの皆さんは100年待ったなら、カマラを追うのはせめて兄の結婚式が終わってからにしてあげてよと思ったが、それほどまでに故郷に帰るのに必死なのだろう。
「ミズ・マーベル」はすでに米批評サイト・ロッテントマトで96%と高評価になっており、回を重ねるごとに、その面白さは増している印象だ。MCUドラマは終盤やや駆け足に話を終わらせる事があるので、残り3話どういう流れになるのか注目だ。
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