監督は答えをくれるわけではないが「そこに導いてくれる」
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――2021年の11月に放送された「情熱大陸」の中では、警察署のシーンを広瀬さんと李さんが話し合いを重ねながら研磨していく様子が収められていました。
広瀬:お互い言葉にするのが苦手で、私発信で生まれてくるものと、李さん発信で生まれてくるものがうまく伝わらなかったんです。そのシーンだけ李さんのおっしゃっていることがよくわからなくて「どういうことですか?」と聞いたのですが、ニュアンスで伝えて下さったこともあってどうしてもうまく理解できなくて。じゃあもう色々と変えてやってみよう! と模索していきました。
それで17回くらいそのシーンを繰り返していくなかで、不意に自分の中で新しいものがぽんって生まれたときに「その方向性!」と李さんに言われて、「ずっと違うことをやっていた…」ってなりました(苦笑)。
松坂:わかる。試して試して「ちょっと一回外の空気吸ってこようか」って休憩が入り、「どうやったらうまくいくんだろう。ここまではこっちの方向性でやってきたけど、一回横にずれた目線でやってみるか」と思って休憩明けにやってみると「はい(OK)」となることが何回かありました。決して答えをすぐくれるわけではないのですが、そこに導いてくれる感じがありました。やっぱり「待ってる」んだよなぁ…。
広瀬:待ってますね、あれは(笑)。