邦画、洋画と多くの映画作品が公開された2021年。ワクチンの普及によりコロナ禍でも劇場に足を運ぶ人の数が増え、少しずつ活気が戻り始めました。今年は『新感染半島 ファイナル・ステージ』に始まり、『花束みたいな恋をした』のヒット、マーベル作品や『DUNE/デューン 砂の惑星』『マトリックスレザレクションズ』『キングスマン:ファースト・エージェント』など延期となっていた作品も次々と公開されました。
そんな中で、シネマカフェでは映画やドラマなど映像作品に関わる様々な方々に取材を敢行。まだまだ来日インタビューは叶わず…ではありますが、今年掲載した記事の中から、多くの方に読まれた人気記事をランキングにして発表します!
10位:高畑充希『浜の朝日の嘘つきどもと』
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映画好きであればきっと、忘れられない思い出の映画館・劇場がある。高畑充希にとって、忘れられないその場所は地元・大阪の梅田芸術劇場だという。
「小っちゃい頃、そこでしょっちゅうミュージカルを観てましたし、楽屋の出待ちをしたこともありました。演じる側として初めてあの舞台に立たせてもらったのは10代の頃でしたが、楽屋から舞台に通じるエレベーターに特有の“匂い”があって忘れられないんですよ。あれは何の匂いなんだろう…(笑)? その後も何度も立たせてもらってますけど、あの匂いは変わらないし、私にとっては特別な劇場ですね」。
高畑さんが主演を務める映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県南相馬市にある、経営が傾いた小さな映画館「朝日座」を立て直すために現れたヒロインと彼女の熱意に心を動かされていく周囲の人々の姿を描いた作品。観終わった後に、自分の心の中の思い出の映画館…いや、映画館に限らず、大切な場所や存在に思いを馳せる――そんな作品に仕上がっている。高畑さんは、どのような思いを持ってこの作品に臨んだのだろうか?
>>>【インタビュー】高畑充希 大きな“破壊”の後に気づいたこと…失う前に気づくことの大切さ
9位:有村架純『花束みたいな恋をした』
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人気ドラマ「カルテット」(17)の脚本家・坂元裕二と土井裕泰監督が、映画では初タッグを組んだ『花束みたいな恋をした』。運命的な出会いに恋の予兆を感じたふたりが付き合い、同棲を始め、社会人になったことでモラトリアム期間が終わり、恋愛感情にズレが生じていくさまを、坂元氏ならではの“生きた”セリフの数々が彩り、土井監督の優しいまなざしが観客の涙を誘う。
菅田将暉と共に、ある男女の5年間を生きたのは、近年ますます活動の幅を広げる有村架純。「有村架純の撮休」(20)や『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(21)など、話題作に引っ張りだこの彼女は、どのような想いで本作に挑み、何を得たのか。
>>>【インタビュー】有村架純、菅田将暉との共演で芽生えた責任感「自分たちが次の時代を作っていく」
8位:向井理「華麗なる一族」
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俳優の向井理は、2021年でデビュー15周年を迎えた。洒脱な雰囲気は当時から変わらないが、近年においては、少しリラックスしたような温かみまでも、持ち合わせているように見える。
「今年で15、16周年なのかな? 振り返ることはあまりないですし、“こういう人になりたい”というのも、特にはないんです。ああ…! けど、ドラマ『華麗なる一族』で共演した中井貴一さんのスタンスは、すごく素敵だなと思っています。僕はまだ引き出しが全然足りていないので、もっともっと、いろいろなことを経験していかないと」。
向井さん本人はこう話すが、フィルモグラフィーをたどると、その“経験”はとても多彩で、俳優としての確かな歩みが感じられる。
>>>【インタビュー】デビューから15年、向井理の引き出しの秘密「いろいろやっていくと、欲が出てくる」
7位:岩田剛典&新田真剣佑『名も無き世界のエンドロール』
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物語の始まりは、似た境遇で育った幼なじみ、キダとマコトの学生時代から。強い絆で結ばれた2人は転校生のヨッチ(山田杏奈)と出会い、3人で平穏な日々を過ごしていた。そんな彼らの青春は“ある時点”を境に、別々の道へ。しかし、かたや裏社会の人間、かたや実業家となったキダとマコトには、ある目的があった…。
ラスト20分の真実。この世界の終わりに、あなたは心奪われる――。
こんなキャッチコピーからも分かるように、『名も無き世界のエンドロール』は実に巧妙で厄介な作品だ。友情と恋心がもどかしく交錯する青春映画かと思えば、衝撃をはらむサスペンスの香りも。そのため、初共演の岩田剛典と新田真剣佑も、プロモーションに四苦八苦!? 親友同士を演じた親密さを漂わせつつ、物語の秘密を共有する者同士の“共犯感”を匂わせつつ、作品やお互いのことについて語った。
>>>【インタビュー】岩田剛典、新田真剣佑は「闇を匂わせる」親友同士を演じて物語の秘密を共有
6位:松坂桃李『いのちの停車場』
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本人が望むか、望まないかは別として、松坂桃李は今や賞レース常連の俳優だ。20代で「がむしゃらに」積み重ねた作品群は、実となり、32歳の自身の背中を押すものとなった。第44回日本アカデミー賞授賞式では新人俳優賞のプレゼンターを務め、「ひとつひとつを積み重ねていくことで、再会も増えてくる仕事。現場での再会を望みます」と、実感がにじむメッセージを伝えていた。そんな松坂さんこそ、今、作品で再会したい人は誰なのか、聞いてみた。
「いやあ、いっっっぱいいます! まず、役所(広司)さん。あと、(樹木)希林さんとは、もう1回ご一緒したかったですね。年齢は違いますけど、ほぼ同じ時期に事務所に入った菅田(将暉)とも、『キセキーあの日のソビトー』以来、映画をやってないからまたやりたいですし。同世代で言えば、岡田将生、濱田岳ともやりたいですし、本当にいっぱいいますねえ。もちろん、『いのちの停車場』で関わった俳優部の皆さん、吉永小百合さんをはじめ、またご一緒したいです」
>>>【インタビュー】松坂桃李、自分にとっての核を見つめ直す今「生きることは、小さな幸せの積み重ね」
5位:鈴木亮平『土竜の唄 FINAL』
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俳優・鈴木亮平から滲み出る人柄のよさ、サービス精神は、インタビューの冒頭から垣間見えた。机の上に置かれたペン型のICレコーダーを物珍しそうにしげしげと見つめた鈴木さんは、「あ、じゃあ…」とスーツの内ポケットにしまい込む仕草をして、にやりと笑みを浮かべる。茶目っ気あふれる行動はほっこりした笑いを生み、取材場に漂っていた緊張感を瞬時にやわらげた。「実は関西人なんですよ」と言う鈴木さん、ちょっとだけ“ボケたい”思いは、兵庫県西宮市出身の血が騒ぐということか。
「最近、自分が“すごくストイックに役作り”みたいに書かれているのを読むと、そんなわけじゃないんだけどな…と思うことがあります(笑)。例えば『HK 変態仮面』だったら、ああいう(コメディの)作品だから“すごく真面目にインタビューで答えたら面白いのかな?”というのも実はちょっとあり、真面目に答えたりしているんですよ。ボケのつもりで答えていたら“こういう役でも、鈴木はすごく真面目にやってる!”みたいに書いていただいて…(笑)」。
>>>【インタビュー】鈴木亮平、挑戦を糧に突き進む新しい自分との出会い「まだ守りに入る段階じゃない」
4位:土屋太鳳『哀愁しんでれら』
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土屋太鳳が持つ清廉さは『哀愁しんでれら』には1ミリも存在しない。剥き出しの喜怒哀楽と愛情への執着と貪欲さ、人間の尊厳を根底から揺るがす、シンパシーを感じない人物を土屋さんは演じた。「…これって土屋太鳳だよね?」こちらが戸惑うほどに、どぎまぎしてしまうほどに。強烈なインパクトを剛速球でくらう。
俳優としての進化を感じさせる、グラデーションの効いた役、土屋さんの圧倒的な佇まいについて感想を伝えると、「うれしい…ありがとうございます。すごくうれしいです。最初、3回お断りした役だったので」と、「ああ、土屋太鳳だ」と認識させてくれるイノセントな微笑みで、土屋さんは同作について語り出した。
>>>【インタビュー】俳優としての覚悟と進化、グラデーションを見せる土屋太鳳
3位:江口洋介『るろうに剣心 最終章 The Beginning』
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「るろうに剣心」シリーズで斎藤一を演じる江口洋介。『The Beginning』で新選組時代の斎藤を演じての感想や、斎藤のトレードマークとなっているタバコへの熱い思いなど、たっぷりと語ってもらった。
「ある時期から(武士にとっての)刀じゃないけど、タバコを劇中で吸う事が難しい時代になって、(このシリーズで)また得意なタバコを吸えたんでね、俺としてはこの役はどんどん広げられたつもりではいるんですけど、「タバコと刀」というのは斎藤には切っても切れないものですね。そういう意味で芝居をするにしてもすごく印象的だったし、ここまで深く関わった作品も初めてだったんで、寂しさはありますよね。終わってしまった寂しさっていうのはありますけど、やり切った感もあります」。
>>>【るろ剣リレーインタビュー 第5回】江口洋介、リアリズムを持って演じた役は「死神のようなイメージ」
2位:佐藤健『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』
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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の公開初日に緋村剣心演じる佐藤健に再びインタビューを敢行! 「佐藤健にいまだから聞きたいこと、言いたいこと」として武井咲、青木崇高、新田真剣佑、江口洋介、有村架純からの質問に全て答えてもらった。佐藤健の弱点、そして真夜中のストレス解消法とは…?
>>>【るろ剣リレーインタビュー 最終回】佐藤健、代表作となった剣心は「どこかにずっといて、切り離せない存在」
1位:永野芽郁&田中圭『そして、バトンは渡された』
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永野芽郁と田中圭の朗らかな笑い声が上がると、室内のムードが一段と明るくなった。スチール撮影中、永野さんが以前勧めたという韓国ドラマを「観たよ!」と勢いよく告げた田中さん。しかし、その感想は「普通かな(笑)?」と茶目っけたっぷりで、永野さんは思わず「ええ~!本当にちゃんと観ました!?」と目を丸くしつつ食い下がる。田中さんに熱弁をふるう永野さん、笑顔でやさしく見つめる田中さん。いつまでも眺めていたくなるほっこりな姿は、初共演した映画『そして、バトンは渡された』にて演じた、血のつながりのない親子に重なるようだった。