《text:Yuki Watanabe》
芯から冷え込み始めるこの季節、自宅でほっこりテレビドラマを楽しんでいるという方も多いのでは?
そこで今日は、2021年の最後を締めくくる秋クールをドラマニアな筆者が総括! 「勝手にベスト3」と題し、ランキング形式で振り返っていきます。今期は、仕事にひたむきに取り組むヒロインの背中――気になる恋の行方が大きな注目を集めました。
第1位:誰かを想うがゆえに紡がれる切ない愛の連鎖「最愛」
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本作は、殺人事件の重要参考人となった製薬会社の社長・真田梨央(吉高由里子)と、彼女の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、あらゆる手段で彼女を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の3人を軸に展開する珠玉のサスペンスラブストーリー。事件の真相に近づく度、蓋をしたはずの15年前のある失踪事件が紐解かれていき…。
弟の病気を治すため、新薬の開発に人生を尽くしてきた矢先に起きた今回の事件。それぞれが自分の仕事を全うしようとすればするほど、“最愛の人”を苦しめるジレンマの連鎖がたまりませんでしたね。心をザワつかせるミステリー要素は金曜10時枠の代名詞でもありますが、視聴者を飽きさせることなくトントンとリズム良く謎が明かされていくストーリーがとても良かったです。真犯人が罪を重ねた本当の理由――タイトルに込められた深い意味にハッとさせられた方も多いのではないでしょうか。
第2位:嘘から始まる夫婦の愛の物語「婚姻届に判を捺しただけですが」
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「世間の目を欺くために、俺と結婚してください」という衝撃のプロポーズに始まり、利害関係で成り立つ新婚生活をスタートする男女のドタバタラブストーリー。主人公・大加戸明葉(清野菜名)は、デザイン会社で働く中堅デザイナーです。いつか独立して広告で賞を取ることを目標に、独身を謳歌していた彼女ですが――キッチリした性格の偽装夫・百瀬柊(坂口健太郎)との共同生活は、前途多難の嵐。そんな二人が、仕事への理解をきっかけに少しずつ歩み寄り、心を通わせていく様がとてもコミカルに描かれていましたね。
普段は何事にも大雑把な明葉ですが、デザインのこととなると、フォントにとことんこだわり抜いて徹夜する一幕も。そんな頑張りを一番近くで見ていた柊が、プレゼンのピンチに颯爽と駆けつけて助けたり、彼女の夢のために公の場で土下座したりと、徐々にLIKEがLOVEへと変わっていくのが面白かったです。相手の気持ちに鈍感な二人にはヤキモキさせられる場面もしばしばありましたが…契約から始まる結婚も、意外とアリかもしませんよ。
第3位:アラフォー女社長のリアルな恋愛観が浮き彫りに「SUPER RICH」
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スーパーリッチな生活から、大切な人の裏切りで転落――新たな幸せのカタチを追い求める女社長・氷河衛(江口のりこ)の、ジェットコースターのような波瀾万丈な半生を描いたオリジナルドラマ。早くに両親を亡くしたことで、愛は無いが遺産に富んだ環境で生きてきた衛が、愛に溢れた貧乏専門学生・春野優(赤楚衛二)、はたまた会社や社長を支えるスマート社員・宮村空(町田啓太)らから求愛されることで、30代後半にして様々な気づきを覚えていく過程が非常に斬新だった本作。
仕事であれば、代表としてバシッと物事を決められる衛が、恋愛となると常に苦笑いでのらりくらり結論を先延ばしにするのが妙にリアルで(笑)。キスをされても思わず「うわっ…」と言ってしまったり、プロポーズされても「そう来たかぁ~」と他人事のように交わす不器用な感じがたまらなく愛しいヒロインでした。あなたも、つい彼女のハッピーエンドを応援したくなったのでは? 会社を経営する上での苦悩なども描かれた、令和の逆・シンデレラストーリーでした。
以上、いかがでしたでしょうか。続く2022年のドラマも楽しみですね! 引き続き、来年もドラマニアをお楽しみください。