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欧州宇宙機関(ESA)で日々訓練に勤しむフランス人宇宙飛行士のサラ(エヴァ・グリーン)。物理学者の夫トマスと離婚し、ひとり娘ステラと暮らす彼女は、ついに「プロキシマ」と名付けられたミッションのクルーに選ばれる。それは同時に愛する娘と離れ離れになることを意味していた。
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これまで、地球から遥か彼方の月や火星、その道程で起こる様々なドラマティックな出来事に直面し、乗り越えていく多くのSF映画が作られてきたが、本作は宇宙へ飛び立つ前、始まる前の宇宙飛行士の訓練の日々に焦点を当てている。
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しかし、その積み重ねこそが日常であり、エヴァはそんな脚本の斬新さや、宇宙飛行士たちについて「読み終えた後、心臓の高鳴る鼓動が聞こえてくるかのようでした。同時にウィンクール監督と早く話したいと翌日に会い、このアドベンチャーの一員になりたいと思いました」と打ち明ける。
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「本作のように、彼らの身体的に過酷な訓練を映しながら精神面に焦点を当てた作品は、これまでになかったと思います、そこがとても興味深いと感じました。彼らの仕事はとても厳しく、常に限界突破を求められる。そしてあらゆる障害を乗り越え耐えねばなりませんが、彼らは宇宙へ行くためにそれらを喜んで受け入れているのです」と語る。
■主人公は母親であり“スーパーヒーロー”
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監督・脚本を手掛けたウィンクール自身も仕事をしながら、(企画当時に)8歳の娘を持つ母親であり、自分と同じように子どものいる女性宇宙飛行士たちの親子関係について描きたい、という思い、長年自身の中にあった疑念とも向き合うことが大きな動機となり、プロジェクトが立ち上がった。
ウィンクール監督は「これまで製作されてきた映画では、あたかもヒーローと母親が相容れないものかのように2つの要素をひとりの人物として投影したキャラクターが見当たりませんでした。女性のスーパーヒーローは、母親や女性らしさからかけ離れた存在として描かれる傾向にある、そう感じました」と語る。
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母と娘が離れ離れになるプロセスを、地球を離れる宇宙飛行士に重ねて探求したい、その思いが結実した本作。エヴァ演じる主人公サラは、内に秘めた情熱を燃やしながら、母の横顔を持ちつつ懸命に夢を追い続けるスーパーヒーローといえるだろう。
『約束の宇宙(そら)』は4月16日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。