そんな彼のこれまでほとんど描かれてこなかった、最晩年の姿を描いた新作『カポネ』がまもなく日本で公開される。今回は、その新作と併せて観るとより楽しめる、カポネの現役時代を描いた名作ギャング映画2作品を紹介。政治家、警察、マスコミを手なずけ、“暗黒街の顔役”にのし上がっていったカポネの暴れっぷりを知ると、新作で描かれた晩年のカポネの姿がより鮮明に目に映るはず。
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アル・パチーノ熱演『スカーフェイス』1984年公開
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アル・カポネをモデルにしたハワード・ホークス監督によるギャング映画の古典『暗黒街の顔役』(1932)をリメイク。ブライアン・デ・パルマが監督を務め、アル・パチーノ主演で主人公をキューバからの移民という設定に変更し、オリバー・ストーンが脚色した。
キューバから難民ボートでアメリカ・マイアミに到着した前科者のチンピラ、トニー(アル・パチーノ)が、コネも学歴もなく一文なしの状況から、暗黒街の顔役として組織の頂点へと上りつめる姿を描く。
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収容された難民キャンプで元幹部の殺害を成功させたことをきっかけに、弟分マニー(スティーヴン・バウアー)と共に組織への仲間入りを果たしたトニーは、大口の麻薬取引を成功させ、ついにはボスを殺害し組織のトップに君臨する。想いを寄せていたボスの愛人エルビラ(ミシェル・ファイファー)と結婚し、金と権力全てを手に入れたはずのトニーだったが、その栄光は長くは続かなかった…。
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『暗黒街の顔役』を観たパチーノが、自分もトニー役を演じたいと熱望したことがきっかけで企画が始動した本作。アカデミー賞にノミネートされたパチーノの気迫あふれる演技にも注目。
デ・ニーロがカポネに『アンタッチャブル』1987年公開
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『スカーフェイス』と同じくブライアン・デ・パルマ監督がメガホンをとり、シカゴの暗黒街の帝王アル・カポネを捕まえようと奮闘する調査官エリオット(ケビン・コスナー)の視点から描かれたアクションドラマ。
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禁酒法下のシカゴで密造酒を販売し荒稼ぎするアル・カポネを捕まえようと、エリオットは捜査を進めるが、警察と癒着しているカポネのしっぽをなかなか掴めずにいた。そんなエリオットのもとに、ベテラン警官のマローン(ショーン・コネリー)、優秀な若手警官ストーン(アンディ・ガルシア)、会計士のウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)が集まり特別部隊を結成。ついに密造酒の取引現場を取り押さえカポネを追いつめるが、思わぬ反撃が待ち受ける…。
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カポネを演じたロバート・デ・ニーロは、カポネ本人に似せるため生え際の髪の毛を抜いて挑んだという気の入れよう。登場シーンは少ないながらも常に存在感を漂わせ、絶大な権力を手にしたカポネの凄みを感じさせるデ・ニーロの狂気の演技も見どころ。
トム・ハーディが演じる最晩年『カポネ』2月26日公開
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これまで数々の映画で最盛期の姿を描かれてきたアル・カポネの、病魔に蝕まれ悪夢に取りつかれた最晩年の姿を描いた伝記映画。
1940年代半ば、長い服役生活を終えたアル・カポネ(トム・ハーディ)は、フロリダ州の大邸宅で家族や友人たちに囲まれ、静かな隠居生活を送っていた。かつて“暗黒街の顔役”と恐れられたカリスマ性はすでに失われ、梅毒の影響による認知症を患っている。
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一方、そんなカポネをいまも危険視するFBIのクロフォード捜査官(ジャック・ロウデン)は、彼が仮病を使っていると疑い、隠し財産1000万ドルのありかを探るために執拗な監視活動を行っていた。
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やがて病状が悪化したカポネは現実と悪夢のはざまで奇行を繰り返し、FBIや担当医を困惑させる。ハーディがただならぬ凄みをみなぎらせ、全身全霊で演じた、誰も観たことのないカポネの姿に注目。
『カポネ』は2月26日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。