会見では、本作製作の経緯について聞かれたコリー監督が「『アナと雪の女王』のとき、クラウド・アニメーターとして仕事を始めたんだけど、最初にアニメートしたキャラクターがオラフだった。その後も作品をやっている間ずっとオラフをアニメートすることが出来たのはとても幸運だったよ」とオラフとの関わりを明かし、「僕がトレイニーだったとき、チャッド・セラーズの『レット・イット・ゴー ~ありのままで~』のアニメーター・ショットを見たのをとてもはっきり覚えている。エルサがオラフを作るところが、美しいんだ。それから、彼女はただ歩き去っていく。彼女は命をクリエイトして、歩き去って行くんだ。僕は、『そこには何かストーリーがあるべきだ』と思った」と話す。
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オラフが愛される理由についてはアブラハム監督は「オラフは、圧倒的な楽観主義を持っていて、誠実さがある。そういうことは決して古くならないものだよ。それは、僕たちみんなが熱望しているものだけど、時々持てなかったりする。オラフはいつも、こういう永遠の楽観主義と優しさで突き進んでいくんだ。そういうものは僕たちみんなが持っているけど、多分もっとあればいいなと願っているものだよ。それは熱望していることなんだ」と説明。
コリー監督は「アニメーターの視点からすると、オラフは、誰にとってもアニメートするのにもっとも好きなキャラクターなんだ。なぜなら、彼はとても感情的になれるからだよ」と言い、クリエイティブ・コンサルタントのピーター・デル・ヴェッチョも「彼の子供のような無邪気さに感情移入出来る。それは、少しナイーブな世界観だ。でも、トレントに同意するけど、そうすることで、彼は、ある深遠で感情的なことに深く触れることが出来る。大人として僕たちが多分見逃していることとかに集中することが出来るんだ」と語った。
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またシリーズでオラフの声を担当しているジョシュ・ギャッドについて、どれだけアドリブがあったのかという質問が投げかけられると、コリー監督は「ダンと僕は彼と一緒に録音ブースの中に入っていた。ガラスの背後にいるんじゃなくね。録音をしていてもっとも大変だったのは、テイクを台なしにしないように、笑わないようにすることだったと思う。ジョシュがすごく楽しんでいる間、ほとんど僕は(笑わないように)口を押さえて、唾を飛ばしていたよ。彼は、時間を使うことにとても寛大だった。彼は『アナと雪の女王2』が終わった直後に、僕たちと一緒に録音しにやってきてくれた。彼は、役者として、コメディアンとして、すごくたくさんものを与えてくれるんだ。彼と一緒に仕事をするのが大好きだったよ」と収録をふり返る。
アブラハム監督も「オラフが鏡の中に彼自身を見ているとき、脚本にあったセリフは、『僕はトレヴァーみたいに見える』っていうものだった。ジョシュがそれを『僕はフェルナンド(ゆっくり発音する)みたいに見える。またはトレヴァーみたいに見える』というふうに変えたんだ。もう少し名前を探そうとしているかのようにね。それで、ジョシュに、オラフにあまり合わない、もっともでたらめで可笑しい名前を思いつくのを任せることにした。彼がフェルナンドかどうかはわからないよ」と収録時のエピソードを明かした。
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さらにアブラハム監督は「オラフがステレオスコープ(立体鏡)で見るカードの中にもちょっとしたイースター・エッグがあるよ。そこには、他の映画の中にあるもので人々が夢中になるかもしれないショットがいくつかある」と隠れたメッセージを話し、「モアナの映画の中のショットや、小さなモアナを見れるかも」「『塔の上のラプンツェル』のイメージがあるかもしれない」とポストカードについて掘り下げた。
そしてオラフの鼻についてもトークが展開。コリー監督は「僕のオリジナルのプレゼンでは、短編の大半において、魚の鼻だったんだ。それで、僕がそれをダンにプレゼンしたら、彼は、『ハア。ちょっと待ってくれ』と言った(笑)」と良い反応が得られなかったという。
アブラハム監督は「魚(の鼻)は数秒出てくるだけだ。それはある意味、ただの可笑しいギャグだよ。でも、彼が顔に魚をつけて数分間走り回るのは、やりすぎだ。それに、オラフはオオカミに追いかけられる」と、魚より肉の方が理にかなってると思ったそうだ。
『オラフの生まれた日』はDisney+にて配信中。