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本作は、物語の舞台であるアルジェリアに17歳まで暮らし、この映画が長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥール自身の経験から生まれた物語。“暗黒の10年”といわれた1991年に始まった内戦とイスラム原理主義による女性弾圧を背景に、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で描く。
今回到着した映像で、本作の脚本を初めて読んだのは4年以上前と語るのは主人公ネジュマを演じたリナ・クードリ。「この映画は例え何があっても絶対に作りたかった。エネルギーを溜めてた」とふり返る。
ネジュマのルームメイトたちは性格や考え方も様々で、親友であるワシラはネジュマとは正反対の性格、“愛”を一番に信じているタイプ。演じているシリン・ブティラはInstagramフォロワー230万超えを誇るヨーロッパで人気のインフルエンサーで、メドゥール監督は共通の知り合いを通じてSNSで連絡を取りキャスティングに至った。そんな彼女は「これは若くて美しく、自立した強い女性の物語でもある」と自信を込める。
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「描かれた時代を私たちは知らない。でも撮影の間、その時代を生きてた。今のアルジェリアでもある」と語るのは、仲間の中で最も敬虔の念が深いが、その一方でファッションショー実現のカギを握ることになるサミラ役を演じるアミラ・イルダ・ドゥアウダ。監督は、彼女を本作に起用するために彼女に合う役柄を考えたという。
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ドゥアウダが好きなシーンのひとつとして挙げるのが、4人が海辺ではしゃぐ場面。メドゥール監督によれば当時のアルジェリアでは海に行くこと自体が禁止されていたという。若い女性たちが水着姿で無邪気に遊ぶなどもってのほか。監督は「深呼吸し自由を満喫するシーン」としてこの場面を重視。カナダへ留学することを夢見るカヒナを演じるザーラ・ドゥモンディは、実生活では生物学博士だが、彼女もこの海の場面について「それまでの撮影とは全然違ってた」とふり返る。
映像には彼女たち4人が、海辺や寮の部屋の中であらゆる抑圧から解放され、心からリラックスしている様子を捉えた本編シーンも盛り込まれ、合わせて本シーンの貴重なオフショット画像も解禁に。
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アルジェリアを離れる前は自身も大学寮で暮らしていたという監督は、この場所について「アルジェリアで学ぶ女子学生の多くは、大学構内に住めるように一生懸命働きます。それは勉強のためでもありますが、父親と兄に代表される家族のもとを離れて、束の間の自由を体験するためでもあります。大学の寮は、自由を感じられる場所なのです」と背景を語る。
さらに「私たちにとって寮は、自由を満喫できる場所でした。勉強もできましたが、ダンスをしたり、音楽を聴いたりすることもできました。当時は楽しい思い出ばかりなのです」とふり返っている。
なお、ネジュマたちのファッションショーを行うという“選択”にちなみ、選択を前にしている日本の多くの方たちに向け<自分らしく生きるための選択>をするための背中を押す一助になることを願い、本作公式noteにおいて<選択>をテーマにした豪華執筆陣によるエッセイ連載企画「マイ・チョイス-わたしがした、自分らしく生きるための選択」が展開中となっている。
『パピチャ 未来へのランウェイ』は10月30(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。