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トロント国際映画祭は、北米最大の国際映画祭であり、米アカデミー賞前哨戦とも言われている。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界中の映画祭が規模縮小を余儀なくされ、同映画祭も長編映画50本、短編映画プログラム5本と、例年の1/4程度に絞られている。
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そんな非常に狭き門を見事突破した本作は、西川監督が初めて実在の人物をモデルとした原案小説を基に、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ作品。西川監督作が同映画祭へ出品されるのは、本作で3作品連続の快挙だ。また本作は、英題『Under The Open Sky』としてワールドプレミア上映を予定。劇中で主人公が生きる世界を印象付けるあるセリフから引用したという。

なお、トロント国際映画祭の開催期間は9月10日から19日までとなっており、受賞結果は最終日に発表される。
トロント国際映画祭には格別な思い出があるという西川監督は「『夢売るふたり』(2012)の上映中、ラスト20分のところで観客の目の前でフィルムが燃えたのです。映画は突然中断し、私は映写技師のところに駆け込み、スタッフは大慌てでしたが、応急処置で上映が再開されるまでの30分間、地元の映画ファンのほとんどが席を立たずに辛抱強く待っていてくれており、最後は同じ旅を終えた仲間のような拍手で迎えてもらいました。北米最大の映画祭であると同時に、市民や映画ファンと距離の近い、大好きな映画祭です」とふり返り、「『すばらしき世界』の招待を決断して頂いたことに、心から感謝しています。今作も、“燃えるような”上映になりますように!」と今回の出品を喜ぶ。
主演の役所さんは「『うなぎ』で初めてカンヌ国際映画祭に参加しました。その時、海外の観客と一緒に観て『こんなにも、笑ってくれるんだ!』って驚きましたが、この『すばらしき世界』にも、『うなぎ』と共通するような、ユーモアや笑えるところがあります。まっすぐ過ぎて不器用な三上と本作を、是非楽しんで頂けたらと思っています」とコメントしている。
『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国にて公開。