本作は、真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを史実に基づき描く映画。エメリッヒ監督が、“いま、自分たちが謳歌している自由のために戦ってくれた人たちのことを伝えたい”と、約20年の徹底したリサーチを基に完成。実在した勇敢な軍人たちの同胞意識と友情、そして米国の勝利を確実なものにするための彼らの決意と犠牲が描かれる。
キャストには、アメリカ海軍の兵士たちを、『デッドプール』のエド・スクラインや「BONES ボーンズ -骨は語る-」のルーク・クラインタンクら若手俳優、ウディ・ハレルソン、デニス・クエイド、パトリック・ウィルソンらベテラン俳優が演じ、対する日本軍を豊川悦司さんをはじめ、浅野忠信、國村隼。すでに、11月8日から3,242館で全米公開されており、週末興収は1,750万ドルで初登場1位の大ヒットを記録している。
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そして10月20日には、撮影場所にもなったハワイのパールハーバー(真珠湾)にあるヒッカム海軍基地内にて、プレミアイベントを開催。
メインキャストとなる日本の海軍大将・山本五十六役を演じている豊川さんは、完成した映画を観て「素晴らしい映画だったと思います。エンターテインメントとして、そして戦争というものに対する客観性、メッセージ性を含めてとてもバランスの取れた作品です」と絶賛。
さらに「全部本当にあった話ですが、本当にディテールも脚本家や監督が一つ一つに嘘が無いように膨大なリサーチの上に成り立って、この<ミッドウェイ>という戦いを描いています。それでもあれから70年以上が経ち、戦争を知らない世代の僕らが作品の観客になることによって、本当にあった戦争というものを自分の実体験のように感じ取って、色々な自分なりの解釈や思いを考えてもらえれば良いと思います」と日本の観客へメッセージを寄せている。
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また、本作に日本人キャストを起用した経緯についてエメリッヒ監督は「スコセッシ監督の『沈黙』でもキャスティングを担当した日本にいる女性プロデューサーに優れた俳優を紹介してもらった」と明かし、さらに「映画を見たアメリカ人俳優もみんな感心していた。共演シーンがないから日本側の部分は知らないので、初めて試写をした時に何度も耳にしたのは、日本人俳優たちを絶賛する声だった」とアメリカキャスト陣の反応を語り、言葉の問題はあったものの、すばらしい経験だったとふり返っている。
そして最後に監督は「戦争に勝者はなく敗者しかいない。命が失われるからだ。だからこそ、この映画を日米双方の海兵たちに捧げたのだ。戦争が再び起きてはならないと伝えたい」と想いを語った。
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ストーリー
日本軍の大将山本五十六(豊川悦司)率いる山口多聞(浅野忠信)や南雲忠一(國村隼)の艦隊が真珠湾を壊滅させた激しい攻撃の後、エリートパイロットのディック(エド・スクライン)と彼の隊は、敵を追跡するよう戦艦エンタープライズの艦長ハルゼー(デニス・クエイド)より命を受ける。
一方で、何としてでも日本軍を仕留めたいUS軍は、ニミッツ最高司令官(ウディ・ハレルソン)とレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)が日本軍の戦略を分析していた。かくして、日米2か国の名誉をかけた激しい戦いが次なる戦闘の地、ミッドウェイへと向けられる。お互いの戦況が変わる中、ディック率いる上空から攻撃をする戦闘機の空中戦と、山口艦長や南雲艦長率いる海上からの戦艦の砲撃の壮絶なる攻撃の応酬で、ミッドウェイでの勝利に対する両国の戦力と不屈の精神が試されていく。
『MIDWAY』(原題)は2020年秋、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開予定。