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公開より一足先に行われた試写会では、観客から「こういう事あるある、こんな事言う奴いるいる! と今を生きる私達も共感」「パワハラとか、組織内の理不尽とか、今を生きる私たちがすごく共感できて、身近に感じる」「歴史物なんですが現代の会社勤めとしても、上の無茶振りとか共感出来る部分が多くて楽しめました」と働く人たちから共感の声が続々あがっている本作。
中でも働く女性たちがまず共感するのは、引っ越しの総責任者“引っ越し奉行”に任命されてしまった片桐春之介(星野さん)だろう。

元々書庫番だった彼は、本ばかり読んでいた引きこもり侍。ところが、失敗すれば即切腹という誰もやりたがらない引っ越し奉行の大役を半ば強引に押し付けられてしまうのだ。さらに、引っ越し予算が2万両(=15億円)に対し、藩にある予算はたったの3千両。勘定奉行からは「なんとかするのがお主の仕事だろう!」と理不尽に仕事を押し付けられてしまう。しかし、そんな危機的状況の春之介が、いかにしてこの局面を乗り越えていくのか、その過程が最大の見どころ。

春之介を演じた星野さんは、彼が困難を乗り越える際、「大好きだった本の知識が生きてきて、自分の好きなものをそのまま逃さないで、それを生かして成長していくというストーリーは時代劇では見たことがないのですごく面白い」と、得意を生かして困難を乗り越えていく独特な主人公の姿を語っている。

本作では、引きこもって本ばかり読んでいたそのときに蓄えた知識を使い活躍する春之介。さらに、それぞれの得意なことを集めればもっと大きな困難も乗り越えられる! 春之介を助ける幼なじみで武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋一生)や、前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑充希)、義理人情に厚い勘定頭の中西監物ら、江戸時代でも現代も変わらない良いチームの姿にも注目。

そして紅一点のヒロイン・於蘭からは、武士という男社会の中で“使えるものはなんでも使って乗り切る”と、たくましく生きる気概を感じることができる。彼女は春之介たちに引っ越しの指南をする影の立役者で、目上の者にも意見を言うことを恐れず、春之介のピンチとなれば馬に乗って颯爽と駆けつける凛々しさがあり、また男性を立てることで彼らが頑張る状況ならば、そうする努力を厭わない立ち回りも。

時代は違えど、江戸時代にも同じような仕事の悩みを抱え、立ち向かう彼らの姿は、きっと多くの働く女性を勇気付けるに違いない。
『引っ越し大名!』は全国にて公開中。