メディアを通して感じる永野さんの屈託のなさ、みずみずしさ、掛け値なしのキュートさは取材時も顕在なのだが、ほかの誰にも似ていない確かなキャリアを積んできた実績が、彼女を年齢よりわずかに大人びて見せた。等身大な素顔をさらけ出すこともいとわないが、ヴェールに包まれたところもあり肝も据わっている。女優という職業が似合う存在だ。
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「すごく悩んだ」作品への参加、10代ラストの挑戦
記念すべき10代最後となった作品は、実写ではなく、アニメーション映画『二ノ国』での声の仕事だった。人気ファンタジーRPG「二ノ国」シリーズの設定をもとに、完全オリジナルストーリーで製作された本作は、現実世界「一ノ国」と、命のつながりを持つもうひとつの世界「二ノ国」の両方が舞台。高校生のユウ(山崎賢人)と親友ハル(新田真剣佑)は、幼なじみのコトナ(永野芽郁)をめぐる事件をきっかけに、ふたつの世界を行き来することになる。永野さんはコトナのほか、「二ノ国」でのアーシャ姫も担当し、ひとり二役という難題に応えた。

アニメーションの吹き替えは初めて。鈴のような心地よさを思わせ、明るく朗らかな声のトーンは、吹き替えに打ってつけかと思いきや、実のところ本人はおよび腰だったと言う。
「お話をいただいたとき、新しいことに挑戦することは不安なので、すごく悩んだんです。けど、やらないことには何も始まらないですし“ずっと苦手意識を持っていたら一生できない!”と思って、私でよければとお引き受けしました。やっている最中は…苦手なので苦痛でしたけど(笑)、アドバイスをいただいて必死にやらせてもらいました。終わったいまは、“やってよかった!”と思っています」。
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アフレコ自体にも、ふたりのキャラクターを行き来することも、身振り手振りを交えて難しさを表現する永野さん。やり終えることができた理由を聞けば、真っ先に「自分ではわからないことも、周りの方たちに作っていただけたからです」と、監督や周囲のスタッフへの感謝をいの一番に挙げる。
「周りの方と一緒に作る環境が、すごく好きなんです。皆さんと一緒にできたことで、自分のできていないところもわかったし、逆に自分がやれることがあるところもわかりました」。
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