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ジョナサンは建築会社に勤務する設計士。仕事にいそしみ、料理やランニングなどルーティーンに沿った毎日を過ごす彼の心休まる場でもある自宅は、掃除が行き届いた無駄のないバランスのとれた清潔な空間で、随所に彼のセンスが光る。
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劇中では、スイスが生んだ20世紀建築の巨匠“ル・コルビュジエ”が好きだと語るジョナサン。元は本作の脚本も務めるビル・オリバー監督自らがコルビジュエのファンであることから、劇中にも多く反映させたのだとか。ストーリーの大半が室内で展開していく本作で、ビル監督はセットに一番こだわったという。
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予算も潤沢ではないことから、外観は全てロケだったそうで「ニューヨークのルーズベルト島というところにある、1960年代の雰囲気を残したままの殺伐とした団地があって、その外観は建築的な視点からもとてもユニークなんだ」と監督。
「ものすごい集合住宅でたくさん世帯が入っていて、長い廊下があってなんとなく薄暗くて、そして都会のたくさん人がいるなかでも無名性を感じるというか…だから、隣人ともあまり関わらずに一人でひっそりと過ごしていけるような環境を求めるジョナサンにとって、ぴったりの場所だと思ったんだよね。あの場所を見つけた時は小躍りしたよ!」と明かしている。
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ジョナサンの部屋だけでなく、彼の担当医であるナリマン博士(パトリシア・クラークソン)の自宅も、思わず料理の腕が鳴る大きなダイニングキッチンや、朝はコーヒー、夜にはお酒を片手に過ごせば会話も自然と弾むこと間違いなしのテラス・ベランダなど、そのどれもがスタイリッシュ。いずれも、思わずこんな家に住みたい! と考えてしまう存在感を放っている。
『ジョナサン-ふたつの顔の男-』は6月21日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。