例えば、スタジオジブリの『となりのトトロ』でサツキとメイの声を演じていたのは、あのダコタ&エルのファニング姉妹(2005年のディズニー版)。ご存じのように、現在2人とも女優として大活躍しており、特に今年4月に20歳になったエルは、『マレフィセント』や『20センチュリーウーマン』『パーティで女の子に話しかけるには』などのほか、主演作『メアリーの総て』が12月に日本公開されるなど、いまや若手実力派の筆頭株。
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彼女たちをはじめ、日本ではお馴染みの人気キャラクターの声を務めている有名スターや若手ブレイク俳優たちに注目してみた。
「スター・ウォーズ」のあの人に“バルス!”
スタジオジブリ作品を見てみると、宮崎駿監督が手掛けた『風の谷のナウシカ』の英語版では、主人公ナウシカの声を『ビッグ・フィッシュ』に出演していたアリソン・ローマン、ユパ様の声を『X-MEN』シリーズのパトリック・スチュワートが務めていたほか、シャイア・ラブーフがアスベル、ユマ・サーマンがクシャナ、ペジテの市長にはマーク・ハミルと錚々たる面々が揃っていた。
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さらにマークは、『天空の城ラピュタ』ではあの憎き悪役ムスカ大佐の声も担当。ちなみに、「スター・ウォーズ」シリーズのルーク・スカイウォーカーとしてだけでなく、TVアニメやゲーム版「バットマン」の“ジョーカー”としても有名なマークは、アニメ版「スパイダーマン」や「アベンジャーズ・アッセンブル」でも悪役の声を演じている。

また、『魔女の宅急便』でキキの声を務めていたのは、『ドリーム』も記憶に新しいキルスティン・ダンスト。彼女自身の子どものころの愛称も“キキ”だったとか。マダム役の声は、レイア姫こと故キャリー・フィッシャーの実母で『雨に唄えば』でも知られる故デビー・レイノルズが務めていた。
なお、今年4月に亡くなった高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』は2016年になってアメリカで初公開されたが、英語版の主人公・タエ子には、その前年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のヒロイン・レイ役で一躍時の人となったデイジー・リドリーが、オーディションから起用されている。
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ジブリのヒット作にはハリウッドの主役級がずらり
『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソの声を演じたのは、『スパイダーマン:ホームカミング』で“市民の悪役”バルチャーを好演したマイケル・キートン。『ゲド戦記』のハイタカ(ゲド)役には元“007”であるティモシー・ダルトン、『ハウルの動く城』でのハウル役には『ダークナイト』シリーズの“バットマン”クリスチャン・ベイルと、こちらも豪華。なお、マルクルの声は神木隆之介と同様、子役から活躍し『ハンガー・ゲーム』シリーズなどで知られるジョシュ・ハッチャーソンが務めた。
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『もののけ姫』でアシタカの声を担当したのは、『エイリアン・コヴェナント』などの渋メン俳優ビリー・クラダップで、「HOMELAND/ホームランド」のクレア・デインズ、「FARGO/ファーゴ」のビリー・ボブ・ソーントン、「X-ファイル」のジリアン・アンダーソンらが名を連ねている。英語版の製作総指揮は、かのワインスタイン兄弟だった…。
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英語版のボイスキャストがいっそう豪華になったのは、『千と千尋の神隠し』がオスカーを獲得して以降だろうか。アニー賞にノミネートされた『崖の上のポニョ』はジョン・ラセターが製作総指揮、ポニョ役はマイリー・サイラスの妹ノア・サイラス、リサ役にはティナ・フェイ、耕一役にはマット・デイモン、フジモト役にはリーアム・ニーソンが参加、そしてグランマンマーレの声にはケイト・ブランシェット! 同作は、アメリカで公開された日本アニメ映画の中で歴代6位のヒット作となった(※Box Office Mojo調べ)。
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また、アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされた『風立ちぬ』で、庵野秀明監督が声優に挑戦して話題となった主人公・堀越二郎には、『スノーデン』『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィット。加えて、『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントが里見菜穂子役、ジョン・クラシンスキーが本庄役で夫婦共演。イライジャ・ウッドやスタンリー・トゥッチなども出演していた。
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そして、高畑監督の集大成にして遺作、アカデミー賞にもノミネートされた『かぐや姫の物語』で、かぐや姫の声を務めていたのはクロエ・グレース・モレッツ。捨丸には「glee/グリー」のブレイン役で知られるダレン・クリスほか、『くもりときどきミートボール』のジェームズ・カーン、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』のメアリー・スティーンバージェンといったベテランに、ルーシー・リュー、ダニエル・デイ・キム、ジョン・チョーなども出演。
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“ネクストジェネレーション”な作品には次世代俳優も
『耳をすませば』のヒロイン・月島雫には『ピッチ・パーフェクト』シリーズのブリタニー・スノウが起用されていたが、アカデミー賞にノミネートされた米林宏昌監督の『思い出のマーニー』のアンナ役には、同じく『ピッチ・パーフェクト』シリーズや『バンブルビー』のヘイリー・スタインフェルド、マーニー役には人気海外ドラマ「MAD MEN/マッドメン」のキーナン・シプカと次世代を担う若手女優が抜擢。
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全米1,522館という大規模公開となり、アメリカ公開の日本アニメ映画の中で歴代4位(ジブリ作品では1位)を記録するのが、米林監督が手掛けた1作目『借りぐらしのアリエッティ』。
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英国版では翔役をマーベルの『スパイダーマン』新シリーズや『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のトム・ホランド、アリエッティ役を『ブルックリン』『レディ・バード』で2年連続アカデミー賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンほか、『女王陛下のお気に入り』でヴェネチア映画祭女優賞に輝き「ザ・クラウン」S3ではエリザベス2世を演じるオリヴィア・コールマン、『キングスマン』のマーク・ストロングらが参加、北米版ではディズニー・チャンネル「ウェイバリー通りのウィザードたち」のデヴィッド・ヘンリ-やブリジット・メンドラ-に、エイミー・ポーラーらが参加している。

続いて宮崎吾郎監督の『コクリコ坂から』で、風間俊(岡田准一)役の声を務めたのは、2016年に惜しくも27歳の若さで亡くなったアントン・イェルチン。「ワンス・アポン・ア・タイム」や『スパイダーウィックの謎』のサラ・ボルジャー、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』に続く青春ストーリー『ライ麦畑で出会ったら』が控えるアレックス・ウルフほか、『もののけ姫』に続いての参加となったジリアン・アンダーソンに、ロン・ハワード、ジェイミー・リー・カーティスらベテランも登場している。
米林監督といえば、西村義明プロデューサーとスタジオポノックを設立してからの第1回長編作品『メアリと魔女の花』も、世界155の国・地域で公開に。西村プロデューサーがスタジオジブリ時代にプロデュースした『かぐや姫の物語』『思い出のマーニー』は2作品ともアカデミー賞長編アニメ映画部門にノミネートされており、各国の注目度も高かった。
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原作を意識して「全編イギリス英語で吹き替えた」(西村氏)という英語版メアリ役には、『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』で巨匠スティーブン・スピルバーグに見出されたルビー・バーンヒル。マダム・マンブルチューク役はケイト・ウィンスレットが務め、ドクター・デイには『ハリー・ポッター』シリーズのジム・ブロードベント、フラナガンには『ワンダーウーマン』のユエン・ブレムナー、そしてピーターにはアンディ・サーキスの息子ルイ・アシュボーン・サーキスが抜擢。
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日本ではマダムの声を天海祐希が演じているが、『ポニョ』グランマンマーレのブランシェットに続いて、天海さんの声は“アカデミー賞女優のWケイト”が務める、という巡り合わせ。
なお、片渕須直監督の『この世界の片隅に』の英語版では、主人公すずの夫・周作の声をマーベル映画の“ロキ”役でお馴染みのトム・ヒドルストンが務めている。
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