『Toni Erdman』マーレン・アーデ(ドイツ) 『Julieta』ペドロ・アルモドバル(スペイン) 『American Honey』アンドレア・アーノルド(イギリス) 『Personal Shopper』オリヴィエ・アサイアス(フランス) 『La Fille Inconnue』ダルデンヌ兄弟(ベルギー) 『It’s Only the End of the World』グザヴィエ・ドラン(カナダ) 『Slack Bay』ブリューノ・デュモン(フランス) 『Mal de Pierre』ニコール・ガルシア(フランス) 『Rester Vertical』アラン・ギロディー(フランス) 『Paterson』ジム・ジャームッシュ(アメリカ) 『Aquarias』Kleber Filho Mendonca(ブラジル) 『I, Daniel Blake』ケン・ローチ(イギリス) 『Ma’ Rosa』ブリランテ・メンドーサ(フィリピン) 『Bacalaureat』クリスチャン・ムンジウ(ルーマニア) 『Loving』ジェフ・ニコルズ(アメリカ) 『The Handmaiden』パク・チャヌク(韓国) 『The Last Face』ショーン・ペン(アメリカ) 『Sieranevada』クリスティ・プイユ(ルーマニア) 『Elle』ポール・ヴァーホーヴェン(アメリカ…ここだけ例外、もちろん監督はオランダ人ですね) 『The Neon Demon』ニコラス・ウェンディン・レフン(デンマーク) 『The Salesman』アスカー・ファルハディ(イラン)
そして、僕の今年のコンペ最大の楽しみの1本が、アラン・ギロディー! 彼の作品は日本で劇場公開されたことがないので日本での知名度は高くないかもしれないけど、東京国際映画祭では2009年に『キング・オブ・エスケープ』を上映して監督も招聘し、奇想天外な世界観を堪能させてくれました。2013年の『Stranger by the Lake』はゲイのナンパスポットを舞台にした、これまた奇抜過ぎるスリラーで、「ある視点」部門の監督賞を受賞しています。この『Stranger by the Lake』はめちゃくちゃ面白いのだけど、あまりに男性の局部がイノセントに大量に露出するので、日本公開のハードルが高く、涙を飲んだ映画会社もあったようです。実際、ボカシを入れると面白さが半減してしまうので、これはもう日本に生まれたことを後悔するしかない…。そのギロディー、新作が待望の初コンペ! どんな作品を見せてくれるのか、これはもう猛烈に楽しみです。
ショーン・ペンの、『イントゥ・ザ・ワイルド』(’07)以来8年振り、5本目の長編監督作となるのが『The Last Face』。シャーリーズ・セロン、ハビエル・バルデム、アデル・エグザルコプロス(『アデル、ブルーは熱い色』のアデル嬢)、ジャン・レノなどがクレジットされていて、なんとも豪華! アフリカを舞台に国際医師団が現地の政治に翻弄されていく話、かな? ショーン・ペンがこういう題材をどう演出するのか想像が付かないので、逆に期待がそそられますね。
今回の『It’s only the end of the world』は、主演がギャスパー・ウリエルで、病を抱えた作家が、死期が近いことを報告すべく久しぶりに故郷の家に帰る、という内容らしい。うん、とてもドランらしいな。共演にマリオン・コティアール、レア・セドゥー、ナタリー・バイ、ということで、完全に今回のルックはフランス映画ですね。果たして一気にパルムドールまで行けるか、とても話題になりそうです。
南米からは1本、これはあまりに少ないなあ。昨年はカンヌ全体を通じてコロンビア映画が存在感を発揮したけれど、今年の南米勢は少しおとなしいかも…。ブラジルのKleber Filho Mendonca監督は、今回の『Aquarius』が長編監督2本目で、いきなり初カンヌでコンペ入り(ドランは怒らないかな)。これは猛烈に期待を煽られます。