本年度の第68回カンヌ国際映画祭で、『岸辺の旅』の黒沢清監督が「監督賞」を受賞したことでも記憶に新しい「ある視点」部門。オリジナリティあふれる視点や先鋭的な切り口の作品ばかりが集う本部門で、昨年のグランプリを獲得、さらに『アーティスト』の名犬アギーも受賞した「パルムドッグ賞」とW受賞を果たした『White God』(英題)が、『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』として日本公開されることが決まった。“雑種犬に重税を課す”という悪法が施行された、ある街。13歳のリリは理解のない父親によって愛犬ハーゲンを捨てられてしまう。必死でハーゲンを救うべく探し回るリリ。そして、主人を失ってしまったハーゲンもまた、安住の地を求めて街を彷徨う。人間に捨てられ、裏切られた、かつての“人類最良の友”。やがて、ハーゲンは虐げられてきた保護施設の犬たちを従え、人間に対して反乱を起こす…。その衝撃的なストーリーや類まれな着想が目の肥えた審査員やマスコミに驚きと賞賛を持って受け入れられ、第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門「グランプリ」を受賞した本作。劇中でハンガリーの首都ブタペストを数百匹の犬が疾走する、迫力と緊張感あふれるシーンは、なんと一切CGなし。“場慣れ”したタレント犬ではなく、実際に施設に保護されていた250匹以上の犬への演出と犬たちの演技が評価され、ハーゲン(ルーク&ボディの兄弟犬二匹一役)には、これまで『アーティスト』のアギーや『カールじいさんの空飛ぶ家』のタグ、『マリー・アントワネット』のモップスなどが受賞してきた「パルムドッグ賞」をカンヌから授与された。さらに、北米でも限定公開ながら批評家の注目を集め、全米批評サイト「Rotten Tomato」では70名以上の批評家から92%の高支持を獲得。「人間対動物の壮大な革命へと発展していく『名犬ラッシー/家路』をスリル満点にした現代版! 感情をかき立てられる少女と犬の冒険物語」(バラエティ)、「犬が自由を手に入れて街を駆け抜け、自らを殴りつけた人間に対峙するとき、この作品は大胆な政治的メタファーへと跳躍し、大いなる雄叫びをあげる」(ニューヨーク・タイムズ)など、メディアからも絶賛を受けている。公開決定に併せて届いたティザーポスターにも、少女リリと彼女に寄り添うハーゲンとともに、施設を脱走した無数の犬たちが明け方のブタペストの路上に佇む姿が! 「最愛の友から、身勝手な人類たちへ」とのコピーが胸に刺さる、怒りと混乱の“ラプソディ”をぜひ目撃してみて。『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』は11月21日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。