『それでも夜は明ける』を手がけたスティーブ・マックイーン監督が来日し、4月23日(水)に舞台挨拶を行った。女優の木村佳乃が花束を手に駆けつけ、第86回アカデミー賞「作品賞」受賞を祝福。「次回作のオーディションがあれば、呼んでください」と直訴(?)した。会場となった東京・TOHOシネマズ日本橋には、アフリカ系アメリカ人監督として初めて作品賞を勝ち取ったマックイーン監督の言葉を直接聞こうと、熱心な映画ファンが多数来場。マックイーン監督は「日本のみなさんは、私の初期の作品から応援してくれている」と感謝の意を表した。映画監督として初来日だが、かつては写真家・彫刻家として活動し、日本で個展を開催した経験も。「日本、特に東京は私にインスピレーションを与えてくれる都市。街並みやデザインはもちろん、人々の生き方や思想にも強く惹かれるね。興味深いのは、日本の皆さんが“聞く耳”を持っているという点」と持論を展開した。木村さんについては「カンヌで『ブラインドネス』を観ましたよ」とマックイーン監督。木村さんが海外進出を果たした同作を、長編デビュー作『ハンガー』が出品されたカンヌ映画祭で鑑賞したのだとか。なんとマックイーン監督と木村さんは同じロンドン出身とあって、すぐに意気投合していた。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが、12年間の壮絶な奴隷生活を綴った伝記を映画化した本作。アカデミー賞の授賞式では、マックイーン監督が「いま尚2,100万人の人々が奴隷生活を送っている、彼らにこの賞を捧げます」とトロフィーを掲げた姿が感動を呼んだ。もちろん、木村さんも映画に感動したと言い「私も2児の母親なので、女性が子どもと引き離されるシーンは胸が張り裂けそうだった」とコメント。これに対し、マックイーン監督は「映画完成は長い道のりだったが、多くの人たちに奴隷制度に関心を持ってもらえて、報われた気持ち」と感無量の面持ちだった。また、木村さんが助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴを「素晴らしかった」と絶賛すると、マックイーン監督は「演技を通して真実を語り、ダイレクトに思いを伝える才能に恵まれた俳優はそう多くない」とうなずいていた。『それでも夜は明ける』は全国にて公開中。
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