フランソワ・オゾン監督の最新作『17歳』の公開を記念し、2月11日(火・祝)に東京・代官山の蔦屋書店でトークショーが開催され、人気漫画「あそびあい」の新田章さんが出席。両作品とも性に奔放なティーンが主人公だが、新田さんの目に『17歳』はどう映った?映画は繊細かつ大胆なタッチで、新作を発表するたびにセンセーションを巻き起こすオゾン監督の最新作。『8人の女たち』『まぼろし』など女性映画の秀作で、女性から絶大な支持を得るオゾン監督が今回、選んだテーマは少女と女の狭間で揺れ動く“17歳の性”だ。主人公は名門高校に通いながら、何不自由のなく生活する17歳の少女・イザベル。バカンスに訪れたビーチで初体験を済ませると、やがて不特定多数の男たちを相手に売春を重ねるようになる…。片や、新田さんによる「あそびあい」(月刊『モーニング・ツー』で連載中)は、自分の欲望と快楽に素直すぎる故、いろんな人と肉体関係を持ってしまう“小谷さん”と、そんな彼女を独占したいピュアな“山下くん”が繰り広げる青春ラブストーリーだ。この日、マスクをしたまま登場した新田さんは、「ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争」の著者である松谷創一郎さんを聞き手に、『17歳』の魅力はもちろん、設定が似ているイザベルと小谷さんとの共通点や違いを語った。「イザベルは、年上と関係を持つことで自分が大人になると感じているのかも」と新田さん。その理由として、映画の冒頭に描かれる“初体験”を挙げ「きっと、あんまり良くなかったんでしょうね…」と分析。さらに「理想を求めすぎて、どんな相手でも満足できないのかもしれない」と話していた。一方、自身が描く小谷さんについては「イザベルとは違って、自分の欲求に素直なだけ」だといい、「自分で描いていても、(小谷さんの)気持ちすべてが見えているわけではない」と説明していた。また『17歳』の魅力として、多くを語り過ぎないオゾン演出を挙げて「少ない台詞の中で、イザベルの表情だけで物語る細やかな演出だと思った。それに母親や家族との関係性にスポットが当てられているのも印象的」と力説。女子カルチャーに精通した松谷さんとのトークを通して、青森で過ごした高校時代のエピソードも飛び出し、駆けつけたファンは熱心に耳を傾けていた。『17歳』は2月15日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。