『8人の女たち』や『スイミング・プール』などで知られる、フランス映画の旗手フランソワ・オゾン監督の最新作して、彼の新たなる“ミューズ”マリーヌ・ヴァクトの存在が話題を集めている映画『17歳』。このほど本作の公開に先駆けて、日本一で最大の集客数を誇る東京・新宿ピカデリーにて、館内広告としては新たな試みが行われることが明らかとなった。本作の主人公は、パリの名門高校に通う17歳の少女・イザベル。バカンス先の海辺で初体験をした彼女は、パリに戻ると出会い系サイトで知り合った男たちと、500ユーロと引き換えに密会を重ねてゆく。そんな中、ジョルジュという初老の男性と親密な関係になるが、ある日、行為の最中に彼が亡くなってしまう。動揺した彼女は思わずその場から逃げ出すが、警察の捜査によって、彼女の秘密は母親の耳にも入ることになり…。と、一見過激なストーリーだが、観終ってみると爽やかな感動があるという、「流石はオゾン!」と、彼の描き出す人生の妙味に胸打たれるはずだ。そんな本作だけに、館内広告ひとつにしても凡庸であるがずはない。誰しもが思う、劇場で映画を観る前の“待ち時間”に目を付けた珍しい企画が展開される。今回企画が実施される新宿ピカデリーを始め多くの劇場では、開映10分前でなければ、シアター内に入れない。よほど空いた時間を使うことに長けた人でもなければ、時間を持て余してしまうことも少なくないはず。今回『17歳』で実施される企画は、その待ち時間を利用して、映画の中身を本篇とは違う角度から楽しんでもらおうという趣向だ。使用するのは、スマートフォンと3Fロビーの柱に掲示される4種類の特製ポスター。まず、スマートフォンで無料アプリ「COCOAR」をダウンロードし、それを立ち上げた状態でそれぞれのポスターにある“ARマーカー”を読み取る。すると本作の特報映像と併せて、今回の企画の中ででしか見られない特別映像が流れる仕組みになっている。流れる特別映像は、四季を追いながら物語が語られる本作にちなんで、ロビー内4か所にある4本の柱に“春・夏・秋・冬”の4パターンのポスターが用意され、それぞれの季節に合わせた映像を楽しむことができる。また映像と共に、こちらも本篇内で印象的に使われる、フランソワーズ・アルディのフレンチ・ポップが流れ、予告篇とは一味違った映像コンテンツとなっている。ARマーカーを利用した館内広告を採用するのは新宿ピカデリーでは初となる。『17歳』×新宿ピカデリーの新企画は、1月11日(土)よりスタート。『17歳』は2014年2月15日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。