映画『四十九日のレシピ』が11月9日(土)に公開を迎え、主演の永作博美を始め、石橋蓮司、岡田将生、二階堂ふみ、タナダユキ監督による舞台挨拶が都内劇場にて行われた。不妊治療に悩む中で、夫が浮気し愛人を妊娠させ、母が亡くなったばかりの実家へと戻った百合子。頑固で声のデカい父、生前の母がボランティア施設で接していた少女、陽気な日系ブラジル人の青年らに囲まれ、母が願った“四十九日の大宴会”の実現のために奔走する中で彼女が新たな一歩を踏み出していくさまを描く。百合子を演じた永作さんは「大きなアクションもない中でどう彼女を立体化していくか? と緊張しましたが、私なりの静かな一歩を百合子として踏み出せた気がします」と充実の表情。「素直に肩の力を抜いて観てください!」と笑顔で観客に呼びかけた。厳格で頑固一徹ながら、どこかおかしみのある父親を見事に体現した石橋さんは「これまで長く、いろんな役をやってきましたが、今回が一番、難しかったかもしれない。計算とかではなく、現場でみなさんと話しながら作っていったし、終わったときの監督やスタッフ、共演者のみなさんを見て『それなりに良かったんじゃないですか?』という顔をしていると思いました」とホッとしたような表情を見せる。石橋さんと永作さんは初共演。石橋さんは「顔を合わせたこともなく、最初は自分以外は変な人ばかり集めたのかと思ったけど(笑)、撮影が進むとずっと昔から暮らしていたかのように感じました」と述懐。若い二階堂さん、岡田さんも交えて喋ったり、酒を飲みに行くこともあったそうで永作さんは「気づくと4人でいましたね。蓮司さんはこういう顔してるので(笑)、怒られたらどうしよう? と思ってましたがお茶目でビックリでした」と語る。岡田さんも石橋さんと酒を酌み交わし「たくさん、いろんなことを教えていただき、悩んでいたことにも的確にアドバイスをいただけていい時間でした」とニッコリ。二階堂さんは「小道具であった麻雀を蓮司さんに教えてもらい、初めて牌を握りました」と仲の良い様子をうかがわせた。タナダ監督は、岐阜で行われたロケについて「お家も出演者の一人というくらい、素敵なお家をスタッフが探してくれました」と語る。そしてそこでふるまわれる様々な料理も見どころ! 永作さんはフードコーディネーター・なかしましほの手による素朴な家庭料理の味を絶賛する。「なかしまさんのいいところなんですけど、多く作り過ぎないんです。だから『ちょっとつまんでいいですか?』と聞いても、『ダメです』と言われる(笑)。もちろん、ダメと言われてもつまみ食いしました!」と明かし、かぼちゃの煮付けがいかにおいしかったかを力説! 会場は温かい笑いに包まれた。『四十九日のレシピ』は全国にて公開中。