映画雑誌「キネマ旬報」が毎年行う、長い歴史を持つ「キネマ旬報ベスト・テン」。このほど、過去の「ベスト・テン」受賞作のうち『バグダッド・カフェ』など20作品がデジタル化、「キネマ旬報映画祭~スクリーンによみがえるキネマ旬報ベスト・テン~」と題して全国の劇場で特集上映されることになった。今、映画館ではデジタル化が進むにつれ、これまでフィルムで上映されてきた過去の名作を再び目にする機会が急速に失われつつある。特に、独立系監督の作品は費用負担の問題などから、なかなかデジタル化が進まず、現在の劇場環境では上映されない作品が数多く存在し、また、セル・レンタル共にDVD等のソフトが廃盤となる作品も出てきているという。そこで今回、デジタル上映されることになったのは、邦画・洋画合わせて20本の「キネ旬ベスト・テン」受賞作。主題歌「コーリング・ユー」が印象的な『バグダッド・カフェ』や、ロブ・マーシャル監督のミュージカル『シカゴ』、ケイト・ウィンスレット主演の『愛を読むひと』、さらには『台風クラブ』『櫻の園』といった懐かしの邦画も含めた名作が、TKPシアター柏 supported by KINEJUN(千葉)を皮切りに全国約30スクリーンで蘇る。かつての名作が観られなくなるというのは、映画ファンにとっては寂しい限り。「愛する映画は劇場で観たい」「思い出の作品を次の世代にも観てほしい」というファンの思いが実現するこの企画。20本の中から各劇場に合わせたラインナップが組まれるというから、ぜひ近くの劇場をチェックしてみて。「キネマ旬報映画祭~スクリーンによみがえるキネマ旬報ベスト・テン~」は6月22日(土)よりTKPシアター柏 supported by KINEJUNほか全国にて順次開催。【上映作品】<日本映画ベスト・テン>『さらば愛しき大地』監督:柳町光男(1982年/ベスト・テン第2位)『台風クラブ』監督:相米慎二(1985年/ベスト・テン第4位)『櫻の園』監督:中原俊(1990年/ベスト・テン第1位)『月はどっちに出ている』監督:崔洋一(1993年/ベスト・テン第1位)『絵の中のぼくの村』監督:東陽一(1996年/ベスト・テン第5位)ほか<外国映画ベスト・テン>『ナッシュビル』監督:ロバート・アルトマン(1976年/ベスト・テン第6位)『ブリキの太鼓』監督:フォルカー・シュレンドルフ(1981年/ベスト・テン第1位)『バグダッド・カフェ』監督:パーシー・アドロン(1989年/ベスト・テン第6位)『シカゴ』監督:ロブ・マーシャル(2003年/ベスト・テン第8位)『愛を読むひと』監督:スティーヴン・ダルドリー(2009年/ベスト・テン第6位)ほか【上映予定】6月22日(土)~ TKPシアター柏supported by KINEJUN(千葉県柏市)6月29日(土)~ シネマート心斎橋(大阪府大阪市)6月29日(土)~ 中川コロナシネマワールド(愛知県名古屋市)7月13日(土)~ こうのすシネマ(埼玉県鴻巣市)8月4日(日)~ キネカ大森(東京都品川区)今夏 福井コロナシネマワールド(福井県福井市)、大垣コロナシネマワールド(岐阜県大垣市)初秋 安城コロナシネマワールド(愛知県安城市)、豊川コロナシネマワールド(愛知県豊川市)、青森コロナシネマワールド(青森県青森市)、金沢コロナシネマワールド(石川県金沢市)、福山コロナシネマワールド(広島県福山市)ほか(C) 2008 KINOWELT INTERNATIONAL GmbH