ドラ:それから、さっき雅子が言ったように、フランス映画はそのとき現実に起きている社会問題を題材にします。『キリマンジャロの雪』はリストラと移民、『フランス、幸せのメソッド』(原題:Ma Part Du Gateau)は格差社会といった問題を取り上げています。『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』(原題:Love Crime)は働く女性同士の凄まじい戦い。企業で高いポジションに就く女性が増えているから、これはリアリティがある。そういえば、女優の質も変わったと思う。70年代くらいまでは、うっとり憧れるような美だったのが、いまは普通の人に近い。