昨年、大きな話題となった『ヘルタースケルター』。岡崎京子原作のコミックを『さくらん』で監督デビューを果たした写真家・蜷川実花が約7年の歳月をかけ、待望の映画化。完璧なスタイルと美貌を持った人気No.1モデル、りりこ(沢尻エリカ)。実は彼女の美貌は全身整形で作られたものだったというのが本筋。りりこは、あくなきまでに美貌を求め、自分が一番になるためならなんだってする。不細工だった過去の自分を捨て、整形を繰り返す。整形の副作用が出たらそれをまた整形で隠すという徹底ぶり。周り全ての人が自分の思い通りにならないと気が済まない。ドラマの記者会見の取材で、翌日のスポーツ新聞に自分がピンではなく、競演女優も表紙に映り込んでいただけでブチ切れてしまう始末。性格は一言で言うと最悪。しかし、あれほどの美貌があり、欲望に正直であれば、一度は一緒に乱れてみたい、狂ってみたいと思うのが男です。りりこは相手のためなら全てを投げ出してもいいという程の思いで、本気で人と向き合います。なぜなら、彼女は自分が気に入った人間にとって、一番の存在にならなければならない。一番になるためなら、恋敵を消すこともいとわない。自分の恋人だった男性に裏切られ、彼が婚約していたことが判明した時、その相手を破滅させようとしたくらいです。女性が本気でぶつかってくるからこそ、こちらも覚悟ができるというものです。ただ、生半可な気持ちで関わってしまうと、人生を壊されてしまいます。ナメられたり、軽んじられるのが大嫌い。自分の持てる権限を全て使ってでも追いつめてくるでしょう。彼女は、情緒不安定です。怖いものなど何もないという強気な態度が常ですが、彼氏の前ではデレデレした態度。その振り幅には、グッとくるものがあります。また、男性は特別視されるのが大好きです。誰も手なずけられない女と、自分は上手く付き合えている、そういった優越感も味わえます。性生活もアブノーマルです。女性マネージャー・羽田(寺島しのぶ)に要求するシーンは、変態というより性を超越して主従関係を分からせているようでした。好きな相手ともなれば、相手が喜ぶことをとことん追求してくれることでしょう。典型的な破滅型タイプなので、実際の世界にいるとものすごく重い女です。ただ、美貌があれば人が寄って来てしまうので、モテるでしょうが、いいお付き合いは出来ません。極端に認められたいと思う気持ち、承認欲求を彼氏は受け止めきれないでしょう。なのであなたはりりこを目指すべきではありません!いかがでしたでしょうか?これからも映画ヒロインを分析していきますね。『ヘルタースケルター』Blu-ray&DVD発売中レンタル発売:アスミック 販売:TCエンタテインメントセル発売・販売:ハピネット(c)2012映画『ヘルタースケルター』製作委員会(c)岡崎京子/祥伝社