3本目にご紹介する“30分ドラマ”は、「フレンズ」のモニカ役でおなじみ、コートニー・コックス主演のコメディ「クーガータウン」。前々回取り上げた「カリフォルニケーション」が“男の事情”を描いたシリーズなら、こちらは“女の事情”を描いたシリーズです。コートニー・コックス演じる主人公・ジュールズは、タイトルからも分かるように、ずばり“クーガー女”(※クーガーはピューマのことで、クーガー女とは年下男性を狙う“肉食系”のアラフォー女性)。ちゃらんぽらんな夫と別れ、シングルマザーになったばかりのアラフォー女性ジュールズが、第2の青春を求めて時にガツガツ、時にモジモジと奮闘するのが主軸のストーリーです。クーガー女…と呼ぶにはガツガツ度が上級の域には達しておらず、多少のモジモジの中に共感を呼ぶ愛嬌が詰まっている印象のジュールズですが、とは言え第2の青春を切に求めているのは確か。17歳の息子と共にシングルマザー生活を営む一方、クラブに出かけて若い男子をゲットし、新たな恋愛に心ときめかせたりもするジュールズの姿がユーモラスに描かれていきます。若い女の子たちには負けない! とばかりにパーティで羽目をはずそうとするも、露出度高めのドレスで「体が冷えるわ」とぼやいたり、恋人になった男子とのセックスを前にイロイロなお手入れをすべく奔走したり…。涙ぐましい分だけコミカルなジュールズのあんな行動やこんな行動が笑いを誘います。とは言え、“加齢”は全ての人間に起こる現象ですから、ただただ笑ってもいられないところ。重力と戦う体のあちこちをぷにっと触ってハァと溜め息をついたり、無理な体勢がたたってイタタタと腰を痛めたり…といったアラフォー事情がリアルな人間ドラマの役割も果たしています。「フレンズ」の終了から数年が経ったいまもコートニー・コックス自身はメンテナンスばっちりで十分美しく、前主演ドラマ「Dirt」でもゴシップ誌の美人編集長を貫禄たっぷりに演じていましたが、ジュールズのキュートなアラフォー像は(いいところだけ)見習いたいところ。悩める乙女ぶりを見せながら、良い子に育った息子の母親として、不動産業界で働く女性として、楽しい日常を繰り広げていくジュールズの姿にはいろいろなヒントが詰まっています。また、ジュールズをクーガーな世界へと導く同僚女性、それがちょっと気に入らない同年代の親友、さらにはバツイチライフを謳歌するお向かいさんの中年男性、別れた後もやたらと家に寄りつく元夫などなど、ジュールズを取り巻く登場人物たちもおかしさたっぷり。軽〜い気持ちで楽しめる、まさに“30分ドラマ”のお手本のようなシリーズです。「クーガータウン」FOXライフにて毎週日曜深夜0:00〜放送中【リピート放送】毎週金曜16:00、22:00/土曜20:00ほか公式サイト:http://tv.foxjapan.com/© 2009 ABC INC.
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